奇会損失

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別に特別でも何でもなかった。

私には人より、運動ができたり、賢かったり

何か出来るというものがない

いや何も知らない

学校ではそれなりに人と喋るし

でも、いじられたりいじったりする訳でもなく

"普通だ"

よく彼女いそうとか言われるけど

そんな訳もなく

そんな過去もない

必死に何者かになりたい時期もあった

残念ながら何者にもなれそうになかった

そんな俺でも中学生の時にたった1人好きな人がいたんです

一目惚れでした

俺はその子を追いたかった

けど、話しかける機会もなく

あっけなく卒業してしまい

連絡先も知らない

俺も高校生になっちまったもんで

既に中学生のことなんか忘れていた

その子の名前

思い出せない

「そうだ、卒アルから探してみよう」

1年ぐらい触ってないせいか

少しホコリを被っていた

「確か、同クラだったしこの辺に、、」

顔ははっきりと覚えているのですぐに見つかりそうな予感がしていた

「熊荘 爽美！！君だ！！！」

嬉しい

ただただ嬉しい