冤罪で死刑になったら、執行日前日に異世界に飛ばされた

@miri919

第1話 あらすじ

「お前は無差別大量連続殺人の罪で死刑だ!」

裁判官からの思わぬ判決に、頭が真っ白になる。俺は無罪なのに死刑になった男、田村涼介だ。正直意味が分からないし、声を荒げて叫びたい。ああ、これから刑務所生活が始まるのか、絶望しかない。平凡だった俺の人生が、一気に転落するんだ、最悪である。死刑執行までずっと刑務所生活で、その先は無いのだ。どうしてだ、無罪なのにこんな仕打ち受けるなんて…許せない。許せはしないが、逆らうこともできない。どうしようもできない無力感。そんなことを考えていたら、自分の部屋にいた。刑務所は大体5人くらいで1部屋と思っていたのだが、俺は独房らしい。何故だかは分からないが、ベッドに座る。この先の真っ暗生活に、再び絶望する。もう戻れないいつもの何事もない平凡な生活に戻りたい。無理な話だ、俺は無差別大量連続殺人の犯人となっているのだから。

時は過ぎ、一日が終わる。今日は一日の大体の流れを説明された。俺の死刑執行日は、2週間後らしい。思ったより早かった。まあ、脱獄されては困るのだろう。死刑執行までの2週間をどうにか楽しむしかないが、刑務所で楽しめってのも無理だ。とりあえず今日はもう眠りに着くことにしよう。そのまま2週間後まで寝ていたい。

朝だ、カーテンをあけ、光が窓から差し込む…なんてことは無く、暗い独房で看守を待つ。その間は、ベッドに転がる。裁判官達は、本当に俺が犯人だと思っているのだろうか?適当では無いのだろうか、なんて頭によぎる。現実逃避だ。看守の足音が聞こえ、ベッドから起き上がる。最初は自由時間で、狭い運動場的なところで自由に動ける。俺は隅で、ボーッとしているだけだが。何も自由では無い自由時間が終わり、次は食事だ。栄養を考えられた健康的な食べ物が支給される。美味しいとは言い難いが、バランスはいい。そんな食事が終わったら、今度は刑務作業だ。つまらない地道な作業しかないが、それを夜までこなす。そして夜になったら部屋に戻り寝る。寝ている時が1番幸せと言っても過言では無いかもしれない。これが一日の流れだ。過酷だ、無罪の俺がこんなことをする筋合いは無いはずなのだが、判決を変えるなんてことはできない故、やるしかない。

第1話 終わり。この先、田村はどうなっていくのだろうか…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

冤罪で死刑になったら、執行日前日に異世界に飛ばされた @miri919

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る