あの子かわいい女の子_20240619
明日私は女の子に告白をします。どんな女の子かというと、髪の毛が長くて、きれいで、顔がかわいくて、しぐさがかわいくて、そんな女の子です。
私はいつも下を向いて歩いているので、あんな女の子みたいになってみたい、といつも思っています。
犯罪に手を染める。
焼き印を押しました。あの子の白い背中に。
罪を犯す。
彼女を監禁しています。
告白して、ごめんなさいされたから、とか、実は私のことを嫌っていた、とか、そういうのじゃありません。そういう理由で監禁しているのじゃありません。
私がしたかったから。
そう、私がしたかったから。
理由なんかなく、私がしたかったから、監禁した。
本当はちゃんとあの子に告白して、振られて、あきらめるつもりだったよ?
でも、今日いっしょに帰らない? って誘って、あの子もうん、って言って、一緒に商店街の中とか、公園のそばとか、コンビニの前とかを歩いているうちに、ちらちらって、あの子の横顔を盗み見ているうちに、ん? あれ? って、思いました。なんか、私、この子に告白したいんじゃないのかも。
じゃあどうしたいの? って言われるかもしれないけれど、うーん。その時は分からなくて、でも、一緒に歩いていると不思議な高揚感というか、満足感みたいなものはあって、すてきだなあ、と思いました。
彼女の家の前まで来て、あの子は、またね、って言った。ちょっと寂しそうに見えたのは気のせいかもしれないけど、でも、微笑んで、小さく手を振ってくれた。私も苦手な笑顔を作って、またねって言った。心の中ではなんか違うなあって思いながら。それでね、それから、あの子が玄関のほうを向いて歩き始めたとき、不意に体が動いたんです。なんか、食欲とかそういう本能的なところで、あの子を捕まえないと、って思った。どうしても、この子を監禁したいって思った。だから何度も言うけど理由とかなくて、ただただ本能的にそうしたいと思って、監禁しました。
見る? あの子のこと、見てみる? 今はたぶん寝てると思うけど。でも、かわいいよ。
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