第21話 剣聖


勇者は1人しか存在してはならない。


これは古くからの言い伝え


勇者の死をもって勇者の意思は

次の代へと受け継がれていく。


2人存在すれば....


------------


王立騎士学院を卒業し

王国騎士団団長を務めたコパムは

ノアの言いつけ通り

魔法都市バーツを目指していた。



コパム

【しかし、魔法都市って。僕は剣聖だし

魔法は全然だめなんだけど、、、】


【おっと。剣聖の助けを求める声がするね】


コパムはこの10年で結構痛い奴になっていた。


《剣技 瞬速の舞》


剣により起こした爆風を利用し

高速で移動する剣技だ。

剣を手足のように扱う剣聖コパムの

オリジナル剣技だ。


コパム

【ひゃっほーーーーー風が気持ちいいぜ!!


っと、女の子がワイバーンに襲われている!


僕が助けちゃうよー!!!】


《剣技 回転乱舞》


ワイバーンの身体がバラバラになる


【決まった。。。僕は剣聖コパム!!

怪我はないかい??】


そこには6歳くらいの獣人族の女の子が

座り込んでいた。

コパムの呼び掛けにも反応しない。


コパム

【怖かったね。もう大丈夫だよ。

君、名前は?】


???

【わ..わたし..すぴか....お兄さん..助けて】


コパム

【スピカちゃんだね。どうしたの?

なにかあった?】


スピカは泣きそうになるのを

歯を食いしばって我慢していた。


スピカ

【ままと女将さんが....殺されちゃう...

うぅ...うわあぁぁぁん】


コパムはそっと優しく

スピカの頭を撫でた


コパム

【大丈夫。僕が助けるよ。

場所はわかる?】


スピカはゆっくり頷いた。


コパム

【なりふり構ってられないか。よし。】


コパムは剣に魔力を込め

天へと魔力を放つ


【来い。グラン】


天が割れ、空からペガサスが現れる


神馬 ペガサス

最強種の一角。聖属性の魔法を

得意とする。地を駆けても空を

飛んでも音速で移動する。

コパムはグランと名付けた。


グラン

【コパム様。どうされましたか。】


コパム

【この子が助けを求めてた。

指定する場所へ向かってくれ】


グラン

【畏まりました。】


スピカ

【イーデルの町の滝つぼのなか....】


コパム

【よしよし。大丈夫だからな。

僕がいるから。】


...............

............

......


イーベルの町 滝つぼの洞窟



コパム

【グラン、ありがとう。

帰っていいぞ。】


コパムがそう言い放つとグランは

空へと帰っていった。


道中、スピカから話しを聞いた。

レオンと名乗る男がスピカの母親と

女将という女性を剣で刺したとのこと

だった。スピカはずっと震えていた。


..........

......

...





ザシュ




【ゴファッ....ゴフッ】




1本の剣が女将の心臓を貫いた



女将

【ガハッ....あ....あな.......た...は】



レオン

【そんな危険なもの手にしちゃ

ダメじゃないか】



女将

【フ....フユネ......さん....は】


レオン

【あぁ。あのおばさんね

死んだよ。君と同じように心臓を一突き】


女将

【あなた.....なんて..ことを.....】



レオン

【うるさいなぁ。弱いから仕方ないじゃん

それより早くその髪飾りこっちに渡して!】


女将に近寄るレオン


女将

【くっ...来るなっ...ガハッ】


レオン

【まぁまぁ、もうすぐ死ぬんだから

無理するなって。ほら、早】


《剣技 閃突》


ガキィィィィィィィィィン


コパム

【はっ、これを防ぐか】


レオン

【誰だい?】


コパム

【剣聖コパム様だ!!そこを退け!!】


レオン

【剣聖.....ほぅ。剣聖か。面白い

お前、神器は持ってるのか?】


コパム

【神器?初めて聞くな。】


レオン

【お前ほんとに剣聖か?

ハズレじゃないか。まぁいいや。死ね】


《邪槍 グングニル》


禍々しいオーラの槍が時空間から召喚される



コパム

【あれはヤバそうだ。

一気にきめる】


《秘剣技 神斬舞》


1万を超える連撃がレオンを襲う


ガキィン ガキィン ガキィン ガキィン ガキィン

ガキィン ガキィン ガキィン ガキィン ガキィン

ガキィン ガキィンガキィンガキィン ガキィン ガキィン

ガキィン ガキィン ガキィン ガキィン


宙のグングニルがコパムの剣撃全てを

撃ち落とした。


コパム

【はぁ...はぁ...まじかよこいつ.....】


レオン

【剣聖といえどこの程度か。じゃあな剣聖

やれ、グングニル】


ブシュゥゥゥゥゥゥゥ


コパム

【ぐあああああああああああああああ】


グングニルがコパムの身体に風穴をあける


レオン

【まだだ。グングニル 連槍だ。】


ブシュゥゥゥゥゥゥゥ


コパムの身体に10の風穴があいた。


レオン

【ここまでやればさすがに即死かな。

さて、お待たせ女将ちゃん。】



《損傷率67% 損傷率67% 損傷率67%

危険です。自己修復不可です》


《自己修復不可です。自己修復不可です》


死の間際、コパムは呟いた


《勇....者..........覚....醒》


《剣聖コパム 勇者へと覚醒します》

《剣聖コパム 勇者へと覚醒します》

《剣聖コパム 勇者へと覚醒します》


《自己修復→自己再生へと昇格》

《聖剣ステラ を取得しました》

《勇者の力を習得しました。》



レオン

【さぁ。女将。髪飾りを.....ん?】



コパム


レオン

【があああああああああああああぁぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁぁぁあああぁあぁああああああぁぁああ】


レオンの身体が一瞬にして消滅した。


コパム

【光属性で溶けるといことは

あいつ....魔族..いや...魔人か?】


【まぁ、いい今は治療か。】


《ホーリーヒール》


フユネと女将の傷が完全に修復する。


【っと、スピカ。おいで。】



スピカ

【お兄ちゃぁぁぁん....ありがと....

うわああぁぁぁぁぁぁん】


コパムはそっとスピカの頭を撫でた


..........

.....

...


旅館天月


女将

【コパム様、この度は本当に

ありがとうございました。】


フユネ

【本当にありがとうございます。

何度お礼を言っても足りません....】


コパム

【お礼ならスピカに。魔物もでる森を

1人で走って助けを探しに行ったんですよ

ほんとに強い子ですよこの子は。】


スピカ

【スピカつよいもん!!おっきくなったら

お兄ちゃんみたいにけんでたたかんだ!

がきぃん!がきぃん!って!】


コパム

【そうかそうか。お前なら良い剣士に

なれるかもな!】


そういってコパムはにかっと笑った。


女将

【それはそうと魔法都市バーツを

目指してるんですよね?実は私もそこに

用事があって。よかったら一緒に

行きませんか??】


コパム

【女将もか!目的地が同じなら

一緒に行こうか!】





そして2人はイーベルの町をあとにした。



............

........

....




???

【なぜこの時代に勇者が2人いる.......

それにレオンは今学院にいるはず

あれはいったい......】




21話 完


--------------


次回22話 創造神









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