第16話 蒼い炎を灯す鳥





それはこの世界において

種の頂点に君臨する神獣が1匹

幻の蒼い鳥


神鳥 ルピス


太古より大空を支配する神鳥

姿を見たものには幸福が訪れると

言い伝えられている。

全長約7mの巨体は全身

蒼い炎で覆われている。


------------



花音

【レベル1】【魔力??????】

【降神王の加護】【?X█?の加護】

【???】【???】【???】【???】





花音

【ふぅ。上手く転生できたわね。敷地ごと

移動となると流石にマナの消費が激しいわ。】


【それに元の世界の身体ごととなると

さすがに数日は休まなきゃ....】



花音は魔法都市バーツの

遥か南にある森へ神社の敷地ごと転生していた。

何故この世界へ転生したのだろうか。

それも自らの意思で。


........

....

..


花音

【はぁーーーー。よく寝た。あ、そうだ

結界張っとかないと】


《降神 大山咋神(オオヤマクイ)五重結界》


五重の結界が敷地全体へ張り巡らされる。


【お母さん.....


待っててね。


さ、あとは時が経つのを待....】


ドゴォォォォォォォオオオオオン


【なに!?】


空を見上げる花音


【なっ....五重結界に穴が空いてる....】


【ん?人!?!?空から!?

もしかしてスカイピ○!?】


【助けなきゃ!!!

《千手観音菩薩》】


花音の背から巨大な手が伸びる


【誰この人......】


天龍

【うっ...俺は.......てん.....り...う....】


花音

【てん、、なに?あぁ。意識が....

もぅ。いったいなんなのよ...

ちょっと臭いし。もう!!!!!】


《降神 大国主命(オオクニヌシノミコト)》


シュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥ


天龍の傷が塞がっていく


天龍

【ん......?はっ..誰だお前!!!!!】


天龍が花音目掛けてナイフを投げつける


ガキィン


千の手がナイフを弾く


花音

【あのさ。命の恩人にそれはないわ。

あと自動防御だから、これ。

私に攻撃は通らないわよ。さて、失礼な

ことしてくれたから1発殴らせなさい】


天龍

【ま、待ってくれ!!今のは誤...ゴフッ】


千手観音によるビンタが炸裂する


花音

【どうだ!まいったか!!】


天龍

【痛い....参りました...すみませんでした..


花音

【分かればいいんだよ分かれば。

ところであんた誰?】


天龍

【俺は天龍。気づいたら空の上にいて

なんか変な奴と戦って落ちてきたんだ!】


花音

【あんた何言ってんの?】


天龍

【だから空で変なやつと戦って....】


ゾクッ


花音

【な...なに..今の気配......】


天龍

【わ..わからない...怖い...苦しい....】


《キュオオオオオオオオオオオオオオォォォォオオオ》



花音

【神鳥 ルピス.........】


【まさか実在したの........】


天龍

【何だそれ!!!】


花音

【よかった。もう行ったみたい。

でもあの方角は......】


天龍

【なんだ!!なにがあるんだ!!

俺、この世界のことわかんねぇ!!】


花音

【ん?この世界?】


天龍

【あ、いや、なんでもない!!】

(黙ってた方がいい気がする...)


花音

《日月神示》


花音の前に書物が現れる。


天龍

【おい!なんだそれ!!】


花音

【おいじゃない。私は花音。名前がある

あと口臭いから喋るな。うるさい。

これは簡易的な予言書。】


天龍

【はい。】


花音

【ふむふむ。魔法都市バーツか.....

王立魔法学院で地下書庫を調べろと...

行ってみようかしら。】


天龍

【花音さん!俺もついてっていいかな?】


花音

【勝手にしなさい。】


2人は魔法都市バーツへと向かう


.......

....

..


みぃ

【レベル1】【魔力0】【気力70,000】

【武闘王の加護】【???の加護】

【???】【???】【???】【???】





みぃ

【んん.....ここは......】


そこは何も無い真っ白な空間だった


【どこなの....そうだ..私......死ん....】


ブォン


【なに!?だれ!?!?】


辺りは霧がかかったような白い

モヤで覆われておりよく見えない。


そこに7体の影が見えた


【だれなの!?】


???

【ふむ。転生を拒んで飛ばされたか。】


みぃ

【転生なんてクソ喰らえよ!!!

私はあいつを!!あいつを倒さなきゃ

気が済まないの!!!!】


???

【負けは負けだ。敗者が何を言おうと

ただの戯言。それはお前が1番よく

わかっているだろう。】


みぃ

【くっ......うん。そうだね。

私冷静じゃなかった。】


???

【ほう。物分りは良いようだな。

どれ、チャンスをやろう。強くなりたいか?】


みぃ

【なりたい。なってあいつを。凛墓を

ぶっ飛ばしたい!!!!もう負けたくない】


???

【わかった。ではここで出会ったのも

何かの縁だ。1つアドバイスしてやろう。】


みぃ

【なにかしら?】


???

【炎を灯せ。猛々しく燃え上がるような炎を

圧縮し留めろ。では、武運を。】


《転生を開始します》


........

.....

...


みぃ

【はっ!!!!!】


目が覚めるとそこは森の中だった。


みぃ

【え。詰んだ。無理。絶対虫いるじゃん】


ガサガサ


【ひぃぃいいい...なに!だれ!!どこ!!】


グルルルルル


茂みで何かが赤く光った


【なに!?】


ウルフの群れがみぃに襲いかかる


みぃ

【え、待って!来ないで!!!】


みぃが拳を振りかざす


ウルフには効いていないようだった。


ウルフがみぃに噛み付く


ウルフの牙には微弱な毒があり

じわじわと身体を蝕んでいく。

通常2~3日かけて死に至る。

噛まれたあと1日経過した頃から

身体の麻痺が始まるとされている。


みぃ

【痛いっ...私の武術が効かない...逃げなきゃ】


みぃは森の奥へと走った


........

.....

...


みぃ

【くっ、、、なんなのよこいつら

犬のくせに!!!いたっ】




女将

【誰か襲われてますね...

んー。ほっときましょうか。

知らない人ですし。】


【あぁ、、直感が、、、、】


【あのぉ、そこの人、

27歩後ろへ下がって下さい】


みぃ

【誰!?わ、わかったわ!!】


言われた通り27歩下がる

それを追いかけるウルフ


刹那、ウルフの群れが撤退していく


【どういうこと!?】


そこにはウルフの嫌う臭いを発する

フツノメ草が生い茂っていた。


女将

【助かったみたいでよかったです。では。】


みぃ

【ちょっと待ってよ!!!貴方名前は?

私はみぃ!!!みぃだよ!!!】


女将

【私は....んー。おかみです。

おかみって呼んでください。】


みぃ

【女将ね!ありがとう。助かったわ!】


........

.....

..


みぃ

【どれくらい歩いただろうか...

全然森を抜けれない

なんだか身体がだるく.....痛っ】


みぃの身体が麻痺し始めた


みぃ

【もしかしてさっき噛まれたところ...

ポケットにバンドエイドがあったわね】


バンドエイドを傷口に貼る


【うぅ....まずい...本当に動けない...】


【こんな知らない森の中で1人で

私は死んでいくんだ】


自然と涙が出た。思い返せば格闘技の

為だけに生きてきた。そんな格闘技が

格闘家でもない凛墓に歯が立たず殺され

よく分からない世界でウルフの毒で

死を待つだけ。酷い人生だった


【もう...楽に...........だ....いゃ.....だ】


【私...死にたくない...こんなところで....

死にたくない....】



(炎を灯せ。猛々しく燃え上がるような炎を

圧縮し留めろ)



【そう言えば.....】


みぃは麻痺して動けない中、最後の力を

振り絞った。


【ハァアアアアアアアアアア!!!!!】


突如みぃの身体から蒼色のオーラが湧き出る


【な、なにこれ!?うっ...苦しい】


気力。武を極めた者が辿り着く

最高到達点(?)とされている。


猛々しいオーラは生命を削る代わりに

膨大な力を得るとされている


【これを....留める....集中......集中...】


スゥ


猛々しく燃えていたオーラが小さくなり

身体の中へと消えていく



ズン........ズン........


みぃ

【な、なに!?】


Aランクの魔物

ラビットクイーンだ。

Aランク冒険者5人でやっと討伐できると

されている高ランクの魔物だ


みぃ

【もう...ダメだ.....】




《キュオオオオオオオオオオオオオオォォォォオオオ》



みぃ

【今度はなに!?】


ラビットクイーンが逃げていく


空気が凍りつく。凍てつくような

冷気と蒼い爆炎が巻き起こる


ソレは、みぃの前へと舞い降りた。


不思議と恐怖はなかった。


みぃ

【綺麗........】


神鳥ルピス

【ぶっ...私を見て第一声がそれか】


みぃ

【へ!?魔物が喋った!?】


神鳥ルピス

【失礼な奴だな...魔物のような

低俗と一緒にするな。私はルピス

神獣だ。】


ルピスの身体は蒼い炎と

冷気で包まれている。


みぃ

【ルピスね。私はみぃ。でももう死にそう】


神鳥ルピス

【ふっ。私と共鳴したとはいえ

まだヒヨっ子だな。まぁ良い。

お前と契約してやろう。拳を出せ】


みぃの拳がルピスの羽に触れる。


《神獣との契約を完了しました》


みぃ

【え、なに?】


ルピスは手のひらサイズに小さくなり

みぃの肩へ乗った。


ルピス

【これから宜しくな。みぃ。】


シュゥゥゥゥ


みぃの身体の毒素が抜け、傷も感知した


みぃ

【すごい....】


ルピス

【当たり前だ。このくらい。

傷を負っても私が回復させる。

まぁ、回復はオマケだ。本当の力は】


みぃ

【ねー、私街に行きたい!!どっち!】


ルピス

【話しを聞けよ......

まぁよい。近くに魔法都市バーツがある。

このまま北へと進め。】


みぃ

【わかった!ありがとうルピス!!】


ガサガサガサガサ


みぃ

【またウルフ!?逃げなきゃ】


ルピス

【おい。逃げるな。さっき炎を留めただろ

それを拳に集中し前へ突き出せ】


みぃ

【こ、こう?】


ゴオオオオォオオォォォォオォォォォォォォ


直線距離にして2kmが蒼い炎により

焼け野原とかした





みぃ

【え?】





16話 完


------------------------


次回17話 魔剣アクタ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る