第13話 13th ノア


私は親の愛情を受けたことがなかった。

親だけじゃない。人の愛情を。



ノア 7歳


【おい!!!クソガキ!!!!

お前部屋片付けとけって言ったよなぁ!?】


ドカッ ボコッ バキッ


ノア

【痛いっ、おとうさんやめてっ痛い、】


【このクズが!!約立たずが!!死ね!】


バキッ ボコッ


ノア

【うぅ...ううぅ....痛い......】


【はぁはぁ..この無能が...早く死ねや】


ノア

【ごめんなさいごめんなさい】


私は毎日辛かった。なにをしても殴られ

罵倒された。


ガチャ


ノア

【おかぁ...さん...痛い.....】


【はぁ。おとうさんと機嫌を損ねるの

やめてくれない?大体なんであんた

みたい無能が生まれてきたんだか。

ほんと使えないわね。】


ノア

【ごめんなさいお母さん.....】


愛情とはなんなのか。わからなかった。


-------------------


ノア13歳


ノアは中学生になった。

何年も何年も来る日も来る日も殴られ

罵倒されてきたノアは心が壊れていた。


そんなノアが学校社会に馴染める

はずもなく当然のように孤立した。

常に無表情なノアは周りから

気味悪がられていた。


そして、当たり前のように起こる【いじめ】

靴を隠され、教科書を捨てられた。

放課後には呼び出されよく殴られた。

主犯格はリナという女子生徒とその取り巻き

サキ、ミサトの3人だった。


周りは見てぬ振り。それを楽しんでいる

人もいた。先生も見て見ぬふりをしていた。


ノア

【はぁ。今日はなにされるのかなぁ。

でもみんなが楽しいならいっかぁ】


トイレに入るノア


バシャア


上からバケツいっぱいの水が振ってくる


クスクスと笑い声が聞こえる


ノア

【冷たい....あっ、今日着替え持ってきてない

屋上で乾かさなきゃ】


ガチャ


ノア

【晴れててよかったなぁ。

2~3時間くらいしたら乾くかな。】


???

【ねぇ。君もサボり?】


そこには金髪の青年が立っていた。


ノア

【ううん。服が濡れちゃったから。】


???

【こんなに晴れてるのになんで?】


ノア

【うーん・・・?なんでだろう。

わかんないけどトイレで濡れちゃった】


ノアには虐められている自覚がない。

トイレは水に濡れる場所だと思っていた。


???

【ふーん。】


そこからその人とたまに屋上で

話すようになっていた。


???

【今日も濡れてんじゃんww

天気悪いから乾くの時間かかるかもなぁ

あ、てか俺いいこと考えたんだ!】


ノア

【いいこと...?】


???

【トイレに座ってたら上から水が

降ってくるんだろ?】


ノア

【そうだよ。ざぱーんって。トイレって

みんな濡れながらするもんなのかな。

大変だよね。】


???

【座らずにさ、1回トイレの壁に

張り付いてみなよ!そしたら濡れないかも】


ノア

【んー?わかった!明日やってみる!】


........

......

...


翌日


ノア

【ねー!みて!今日濡れなかったの!

壁に張り付いてたら濡れなかった!】


???

【そっかぁ!よかったなー!これで

乾かさなくても済むな!って

今日は濡れてないのになんで来たんだよw】


ノア

【んーー?報告....かなっ?

でもありがとう....えっと....】


レオン

【俺はレオン。3年生だよ】


ノア

【レオン君!ありがとう!】


..........

......

...


そしてレオンは中学を卒業した。

ノアはまた一人ぼっちになった。


ミサト

【ねえ。あんたいじめられてる自覚ないの?

毎日平然としてるけど】


サキ

【こいつ感情がないからわかんないでしょw】


リナ

【ほんと機械みたいね。あんたみたいなのが

家にいるって両親も可哀想ねw】


ノア

【えっと、ごめんなさい。お名前わからない

けどお話ししてくれてありがとうございます】


リナ

【は?wwうけるwwこいつ皮肉とか

わかんないのかなww】


ノア

【話しかけられるの初めてで、、

嬉しくて、、】


少し微笑むノア


サキ

【きっしょw何笑ってんのこいつ

気持ち悪いんだけど】


ミサト

【ねぇ!あれやろうよwライターある?w】


ガサッ


リナがノアのカバンを奪う


ノア

【あっ、私のカバン...何に使うの??】


リナ

【こーするんだよwwww】


ミサトがノアのカバンに火をつけた

燃え上がるカバン


ノア

【えー!やめてよ!!


熱っ...フゥ...フゥ...消えない..】


サキ

【手で消せよおら!!ww】


サキがノアを蹴り飛ばす


ノア

【痛っ..熱っ....うぅ......】


ミサト

【お、おい、ちょっとヤバいんじゃない?

顔に火が....水かけなきゃ】


リナ

【ほっとけばいんじゃねwこんなやつ

死んだって誰も気づかないよ】


ミサト

【そ、それもそうか、あはは】


サキ

【よし!カラオケいこうよ!】


ノア

【うぅ、、熱い熱い、誰かっ、、水を、】


バシャア


ノア

【はぁはぁ、あ、ありがとうございます】


そこには誰も居なかった。


手と顔に火傷を負ったノアは

焦げたカバンを持って帰った。


.........

......

....


ガチャ ガチャ


ノア

【ただいま....】


【おう。やっと帰ったか無能!って

焦げ臭っ、なんだお前?】


ノア

【ごめんなさい、、カバンが、その、、

少し燃えてしまって、、】


【どうすんだよそれ。お前せっかく人が

買ってやったもんをなに焦がしてんだ

おい!!!!!!オラァ!!!!!】


ドカッ


また殴られる。毎日毎日。

学校では水に濡れ、カバンを燃やされ

家に帰れば殴られる。

いつまで続くんだろうか。


ノア

【痛い..い、いまちょっと火傷してて..】


【火傷だぁ?知るかそんなもん

人の金を無駄にしやがって!!】


バキッ ボコッ


ノア

【お、おかあさん、たすけっ、、痛い、】


【お父さんの言う通りよ。はぁ。

ほんとに。あんたなんか






















生まれて来なければよかったのに】











ドクン



ドクン



失われていた感情が溢れ出す



そうだ。私は生まれてこなければ

よかったんだ。そもそもなんで私だけ。

いい子にしてるのに。痛い痛い痛い

辛い悲しい辛い悲しい痛い辛い辛い


いじめ..そうだ。私いじめられてたんだ

学校にも家にも私の居場所なんてないんだ。

私なんて死んだ方がいいんだ。


死んだらお父さんもお母さんも

学校の人たちもみんなみんなみんな
















喜んで くれるかなぁ






ヒュオォオオオ


《呪い 死神の王を発動しました》



ん。何今の声。







ブシュゥゥウウウウ


えっ


父と母の首が吹き飛んだ



なにが起こった...の?



..........

......

...


ノア16歳


その後ノアは施設へ入った。

両親は他殺ということで処理された。


そんなノアにも施設の友達ができた。

みんな過去に辛い境遇をもっており

ノアにも優しく接してくれた。


そしてノアは次第に笑うようになった。

過去のことを忘れるかのように

前へ少しづつ進んでいたのだ。




ノア

【ふふっ。嬉しいなぁ。楽しいなぁ。

私こんな幸せでいいのかなっ】









《呪い 死神の王を発動しました》








施設内の人が全員死亡した



ノア

【え?】


【み、みんな?ええっ、あああ

なんっ...でっ....ハァハァ】


ノアは意識を失った。




目が覚めると病院にいた。


ノア

【ここは......】



《呪い 死神の王を発動しました》


【いっ、いやっ、もうやめて!!

いやああああああああぁ】



ブシュゥゥウウウウ


ブシュゥゥウウウウ


ブシュゥゥウウウウ



病院内の人間が全員死亡した。



ノア

【うぅ...なんでっ...なんなのっ...

私は....あぁ..あああああああああ】



ノアの精神は崩壊した。


やっぱり生きてちゃダメなんだ。

もう死のう。私が生きていれば多くの

人が死んでしまう。もう。いいんだ


ノアは病院の屋上から飛び降りた。


ヒュオーーーン


これでようやく辛い日々も終わる。

思い返せば酷い短い人生だった。

来世は普通の女の子として生きたいなぁ








《死神の王の加護を発動します》



キンッ


ノア

【え?生きてる?】


えっ、、、


ノアは死ぬことすら許されなかった。


そしてノアは1人で旅に出た。

自分が何者なのかを知るために。


ノアは理解した。


自分は厄災であることを。


ノアは理解した。


自分の周りにいる人は

みんな死んでしまうことを。


ノアは理解した。


誰にも関わらずに1人で孤独に

生きていかなければならないことを。


..........

......

...


ノアは孤独だった。

歳を取らず飢えることもなく食事を

必要としない身体になっていた。


ノアはずっと一人ぼっちにだった。


ただひたすらに、歩いて旅をした。

何日も何日も1人で歩いた。


途中話しかけてきた男たちが

何人か死んでしまった


が、もう気にならなかった。


目的地も決めずに、ただただ

なんとなく歩き続けた。


そうして、山奥のとある神社へ辿りついた。


ノア

【・・・】


《呪い 死神の王が発動しました》


【また。誰かいるのかな】


《呪い 死神の王が無効化されました》


【無効化?なんだろう。】


声がした。


『手をかざせ』


言われた通り手をかざす


ノアは光に包まれ姿を消した。


..........

........

.....


『ふむ。久々の人間か』


ノア

【だれ?ここはどこ?】


『ここは神域。とまぁ名ばかりで

神などいないがなぁ』


『ところで人間。お前人を沢山

殺めただろう。』


【私は殺してない。勝手に.....】


『まぁまぁ。責めてる訳ではない。

きみ、神様にならない?』


【神様?意味がわからない。】


『まぁ、今は分からなくていい。

そのうち<<思い出す>>さ』


【はぁ...貴方は死なないのね】


『まぁね。とりあえずさ、【【12人の】】

転生者を探してきてよ。今はそれだけ

詳しいことはまたいずれ』


【12人の転生者?そんなこといわれても】


『おっと時間だ。あ、そうだ!

君の呪い解除しとくよ。これでもう

人は死なない。その代わり、感謝して

くれるならさっきのお願い考えといて!』


《呪い 死神の王が解除されてました》


【えっ、ちょっと!待って!】


『ふふ。4日後、東京都庁の地下2階

402の会議室へ行って。じゃあ、またね。

<<この世界のノアちゃん>>』


ノアは意識を失った


.......

.....

...


夢の中で名前が浮かんだ


聖天王 レオン

天神王 天龍

降神王 花音

武闘王 みぃ

暗殺王 倍丸

再生王 万鹿

破壊王 ハオ

魔神王 賢次

錬神王 赤城

龍神王 女将

精霊王 光宙

剣神王 コパム

創造王 ノア

砲神王 たかとし





ん?14人?





13話 完



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次回14話 14th たかとし

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