第12話 12th 小葉武
剣聖
それは世界の剣士の頂点に立つ者へ
与えられる称号
神の剣捌きと称される剣聖の剣は
万物をも斬ることができた。
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コパムは普通の家庭に生まれた。
両親は共に農業を営んでいた。
父は昔王国騎士団で剣を振るっていたが
怪我が原因で引退してから農業を始めた。
噂では元剣聖だったとか。
が、近年魔力災害が頻発し作物は不作
コパムは貧しい家庭で育った
コパムが初めて剣を握ったのは
3歳の頃だった。
護身用にと父が木剣を握らせたのが始まりだ。
筋の良かったコパムは6歳にして
父を上回るほどの剣技を身につけていた。
コパム
【父さん。ぼく、学校に通いたいんだ】
父
【ほう!お前は剣筋もいいし
もしかしたら剣聖様になれるかも!?
なんてな!ははは】
コパム
【もう。父さんってばからかってるでしょ!
僕は本当に学校に行きたいの!
もっと剣を鍛えて剣聖様になるんだ!】
父
【うーん、そうだなぁ。じゃあ10歳に
なったら王立騎士学院の
試験受けてみるか】
コパム
【え、いいの!?やったあ!!!!】
父さん
【いいぞ!その代わりあと4年間
しっかり修行すること!あと母さんの
手伝いも忘れずにな!】
コパム
【はーい!!父さんありがと!!!】
そして、約4年の月日が流れた。
コパムは明日で10歳の誕生日を迎える
コパム
【ついに明日で10歳だ。王立騎士学院の
入学資格が得られる!待ち侘びた、、、
はぁ明日が待ち遠しい!!】
父
【コパム!明日で10歳だな!】
母
【4年間よく授業頑張ったわね!
ただ年齢上限のない入学試験に最年少の
10歳で行かせるのは心配...】
コラム
【もう!大丈夫だよ!!!
僕強いんだから心配しないで!
それより明日ケーキ忘れないでね!】
母
【うちにそんなお金ありません!
いつものスープに少しお肉を
いれてあげるわ】
コパム
【それで十分だよ!!今日はもう寝るね!
明日に備えなきゃ!】
父・母
【はいはいおやすみなさい!】
その日、コパムは夢を見た。
不思議な夢だった。
自分の剣が世界を救う。そんな夢。
そして魔族との戦争。
12人の仲間と共に戦った。
そして世界は平和になった(?)
..........
......
..
コパム
【ふぁー。よく寝た!!
あ!!10歳になった!!!!
父さん!母さん!!】
急いで寝室から両親の元へ向かう
シーン
【父さん?母さん??】
家には誰もいなかった。
人の気配すらもなかった
【どこかでかけたのかな?
もう。誕生日お祝いしてくれるって
約束したのに!!!ばか!!】
コパムはいつものように修行に出かけた。
9998....9999.......10000
はぁーーーつかれたーーー
今日も素振り一万回終わり!!
昔は1日以上かかったのに今となっては
素振りも半日で終わるようになった!
さて、父さんも母さんも帰ってるかな?
そろそろ帰ろう
入学試験の書類も書いてもらわなきゃ!!
キィィィィィィィン
誰かとすれ違った気がした
???
【ただひたすらに....】ボソッ
コパム
【だれ!?】
振り返るが誰もいなかった。
【なんだったんだろ...帰ろ!!】
ガチャ
【ただいまー!!帰ったよー!!】
【父さん?母さん?
もう!!どこいったんだよ!!!
もしかして隠れてる!?】
【はやくでてきてよー!
僕10歳になったよー!!】
コンコン
コパムの家を誰かがノックした。
コパムの家は村のはずれにあり
ほとんど人が来るような場所ではなかった。
コパム
【父さん!?母さん!?】
急いで扉を開けるコパム
そこには誰もおらず、一枚の手紙が落ちていた。
【なんだろこれ】
手紙を拾い上げ読む
《全ては王国のために。
◾️◾️◾️》
【意味わかんないや。誰が書いたんだろ
末尾の文字知らない文字だし、、、
まぁいいや。喉乾いた。】
冷蔵庫を開けるコパム
そこには大きな白い箱が置いてあった
【なんだ!!ケーキあるじゃん!!
父さんと母さん帰ってこないなら
僕1人で食べちゃうからねーだ!!】
【っと、、重っ、、どんなケーキだよもう】
箱を開けるコパム
【え?】
箱の中には父と母の顔が並べられていた
【な、っ、、ああ、、なに、、こ、、これ、、】
【へ?どういう、、えっ、、ああああああ】
【ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ】
【なんで、こんなっ、、ああだれがああああ、ああああううあ、ああっああ、ああああ】
理解が追いつかない
なぜ両親の首が並べられているのか
誰がこんなことをしたのか
???
【コパムくん!?】
コパム
【だ、れ、、、、、】
ノア
【私はノア、敵じゃない。落ち着いて】
ノアがコパムの背中をさする
ノア
【落ち着いて聞いて、これは貴方の】
コパム
【うっ、うう、、ううおおおおおおおおああああああああああああああああああああ】
突如コパムの体から光が
ノア
【まずい、暴走がはじまった】
コパム
【だれが、、、だれが、、、だれがだれがだれがだれがああああああああああああああああ】
溢れ出す魔力
時空が歪み、コパムの周りには
無数の剣が現れる。
ノア
【コパムくん!!!正気を保って!!
貴方の両親を殺したのは王国のっ】
【はっ、、しまった、、、】
コパム
【王........国.............?】
【お前も死ねぇぇえ!!!!!!!】
無数の剣がノアの身体を貫通する
ノア
【ゴフッ......ウッ】
ヒュン
コパムの身体が転移する
シュウウウウウ
ノアの傷口が塞がる。
【はぁ....はぁ...追いかけないと..】
.............
..........
......
カルデルタ王国
国王
【はははははははははははは
ようやく過去を清算出来たぞ!!!!!
忌わしき剣聖の血筋めが】
王国騎士団長ガレア
【国王様。声が大きいですよ。
城の者に聞かれたらまずいです。】
国王
【だまれガレア。まぁこれで
次の剣聖はあいつの息子では無くなった】
ガレア
【そうですね。。。】
ドゴオオオオオオオオオォォォォォン
国王
【な、なんだ!?】
兵士
【国王、お逃げください!!!
敵がひ】
グサッ
国王
【ひぃっ、、、】
コパム
【お前が僕の父さんと母さんを】
国王
【ななな、なんのことかな】
コパム
【とぼけないでよ。お前の差し金だろう】
国王
【ち、ちがう!!わしじゃない!!】
ガレア
【国王様。お下がりください。
ここは王国最強の騎士ガレアに
お任せ下さい】
コパム
【うるさいよ。 】
ザシュッ
刹那、ガレアの首が飛ぶ
国王
【ガ、ガレア!!、ひぃいいい】
コパム
【話せ】
コパムは剣を国王へ突きつける
国王
【し、仕方なかったんじゃ!!!
先代の剣聖である貴様の父が
貴様を剣聖へ推薦すれば国民は
それに同意してしまう。
だが、剣聖は本来王家から排出
しなければならない】
【だから貴様の父が邪魔だったんじゃ】
コパム
【剣聖?そんなことのために父さんを?】
【じゃあ母さんはなんで殺したの?】
国王
【母親?それは知らぬ!!!
ワシは貴様の父親しか】
スパンッ
ゴトッ
ゴロゴロゴロ
国王の首が落ちる
???
【やぁ、コパム君。はじめまして。
僕はたかとし】
コパム
【たかとし?誰?てか、話しの途中で
なにしてるの?】
たかとし
【君の母親と父親は僕が殺した
もっとも、国王は自分の兵隊が殺したと
思ってるけどね。】
コパム
【は?】
たかとし
【いやぁ。息子だけは助けてくれと
必死に懇願する君の両親。
あの表情は最高だったよ。
思い出すと興奮しちゃうなぁああ
まぁどっちも殺したけど★あははは
あ、そうだ。誕生日おめでとう★】
コパム
【るさない..........ゆるさない!!!!】
たかとし
【そうだ。もっと怒れよ】
コパム
【うっ、、、ううううううああああああああああああああああああああああああああ】
《剣聖へ覚醒を開始します》
たかとし
【おぉ!!世界の声!!!!!!
これで剣聖の誕生だ】
コパム
【うぐっ、があぁああ、、があああああ】
たかとし
【ん?なにかおかしいな】
《剣聖の覚醒に失敗しました》
《堕剣王へ覚醒します》
たかとし
【堕剣王だと!?】
コパム
【はぁ....はぁ.....はぁ......殺す】
コパムの周りに8本の剣が現れる
たかとし
【チッ.....一旦引きます 転移!】
【・・・】
【転移!!!!】
【おかしい。転移ができない。】
コパム
【さよなら。】
8本の剣が
地図から街を消した。
コパム
【関係ない人も殺してしまった....
もう僕は生きてちゃいけないんだ】
【ひとりぼっちだしいっそのこと....】
ノア
【貴方の剣は人を傷つける剣ではありません。】
コパム
【貴方はさっきの...
さっきはごめんなさい。
無事だったんですね。】
ノア
【こう見えて丈夫なのよ私。
貴方が困ってる人を救う剣なの。
傷つけちゃだめなんだよ。】
コパム
【でも父さんと母さんが】
ノア
【父さんと母さんが殺されたら
関係ない人を殺していいの?】
コパム
【よくない。。。僕は。。僕はなんてこと。】
【僕悲しくて、辛くて、、それで冷静で
いられなくなって、、、ぅううっ】
【取り返しのつかないことを、、、】
ノア
【その気持ちがあれば十分。
1度だけチャンスをあげるわ。
困っている人のために剣を振るいなさい
みんなを助けるの。約束できる?】
コパム
【うん。僕、償いのために生きていく。】
ノア
【わかったわ。あと10年。ただひたすら
剣を振るいなさい。来るべき日のために。
あと、そうね。仲間をみつけなさい。
10年後、魔法都市バーツへ行きなさい。
私からはそれだけ。じゃあまたどこかで。】
ノア
《創造魔法 リビルド》
地図から消えたはずの街が元に戻る。
街だけでなく、人や植物に至るまで。
コパム
【なっ、、何を見ているんだ僕は、、、】
【はっ!!まさか!!】
急いで走り出すコパム
ガチャ
父
【おかえりコパム!遅かったな!】
母
【おかえりなさいコパム!
10歳の誕生日おめでとう!!】
コパム
【父さん......母さん......うっ.........
うぅあああ.....ううああああ】
コパムはわんわん泣いた。
ノアへ必ず恩返ししようと心に誓った。
............
........
.....
たかとし
【禁忌だぞ。お前】
ノア
【うるさい。死ね】
《破滅魔法 メギド》
ブチャッ
たかとし
【やれやれ。じゃあ僕は行くよ】
ノア
【・・・】
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10年後〜
剣聖様ー!!!!!
おーい!!! 剣聖!!!!!
コパムー!!
剣聖様ー!!!
コパム
【いやぁ、剣聖って呼ばれるの
全然慣れないんだよなぁ。】
王国の入口で大勢の国民がコパムを見送る
この10年でコパムは剣聖へと覚醒した。
王立騎士学院を卒業後、王国騎士団へ入団
異例の速さで団長の座についた。
収めた功績は数しれず国の英雄として
称えられていた。万物をも斬る優しい剣
それが剣聖コパムの剣だった。
そして今日、お告げの通りに国を出て
冒険の旅に出る。
父
【コパム。いつでも帰ってこい。
お前の帰る場所はここにある。
あと、母さんみたいな美人捕まえるんだぞ!】
母
【あんた。こんなときにバカ言ってんじゃないよ!コパム。身体を大事にね。貴方は貴方の
使命を全うしなさい。たまには帰っておいで】
コパム
【父さん、母さん。今までありがとう。
また絶対帰ってくるから。
じゃあ、行ってきます】
そうしてコパムは魔法都市バーツへと旅立った
コパム
【あの人にまた会えるといいなぁ。
僕はあの人へ、剣を捧げよう。】
12話 完
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次回13話 13th ノア
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