第4話 4th 未依


鬼才 漣 未依(さざなみ みぃ)


17歳にして空手、柔術、柔道、合気道の

世界チャンピオン


武術をはじめたのは3歳の頃

驚くほどの成長スピードで型を習得し

12歳で頂点へと登りつめた。


また、日本トップの漣 財閥の令嬢である。

漣財閥では幼い頃より負けは死と教えこまれた


----------------


東京都 新宿区


光宙(ぴかちう)

【やっと学校おわったーーー

って、みぃまた今日も練習なの?】


みぃ

【あたりまえでしょ!どれだけ練習しても

足りないんだってば!お父様も学生の

うちはって自由にさせてくれてるけど!】


光宙

【たまにはカラオケとかいこうよー

てか誰もみぃに勝てないんだから

練習する意味あるの?】


現代日本において、みぃに勝てる者がおらず

同年代の者たちは今年もみぃが出るのか...と

半ば諦めており、対戦相手が対戦を辞退

することも少なくない。


みぃ

【あんた1人で行きなさいよ!私は忙しいの。

来るべき日の為に少しでも強くなってないと】


光宙

【そんな日来ないって(笑) ここ日本だよ?

平和な国なんだから武術を外で使うこと

ないじゃん。ばーか】


みぃ

【うるさいわね!!殴るよ!

武術を極めし者は気が使えるように

なるって言い伝えなのよ!!

気は目に見える程のオーラとなるって】


光宙

【暴力反対!!そんなのただの言い伝えじゃん

あっ、そう言えばなんか今

地下格闘技が熱いらしいね。階級も無差別

らしいしみぃも出てみれば?確かね

国立競技場の地下で試合してるみたいだよ】


みぃ

【ふぅん。おもしろそうね!!

今から行ってみる!!じゃあねぴか!】


光宙

【お、おい!ったく。急すぎるだろ

たまには勉強しろよな、、、】


........

.....

..


みぃ

【ここね。】


ガチャ


ウオオオオオオオオオオオオオ


そこには溢れんばかりの観客から

放たれる大歓声と凄まじい熱気が漂っていた


みぃ

【すごい!!!!!!!!

ここなら私を倒してくれる人が

いるかもしれない!!!

一応顔バレしないようにしとこう、、、】


ヒュン スタッ


リングの中央へ飛び降りるみぃ


みぃ

【はいはいはーい!!!私も誰かと

戦いたいでーす!!】


シーン・・・


ギャハハハハハハハ


会場は笑いに包まれる


おいおいwwwお嬢ちゃんwwww

そんな華奢な身体で無理だろwwww


おーい!ふざけてないでリング降りろ!


そーだそーだ


みぃにヤジが飛ぶ


みぃ

【ごちゃごちゃうるさいわね

誰でもいいからかかって来なさいよ】


ドシン ドシン


身長2.3mの大男がリングへと上がる


大男

【嬢ちゃん、俺が相手してやるよ ぐへへ】


みぃ

【いいわよ。かかって来なさい】


やめとけーー!勝てないぞー!

怪我する前に降りろー!


止まらないヤジ


大男

【外野がうるせぇからよぉ、1発もらって

やるよ。ほら。打ってこいよ ぐへへ】


みぃ

【じゃ、遠慮なく。】


ズンッ


刹那、大男が意識を失い倒れる


シーン


静まり返る会場


みぃ

【で、次誰?】


ウオオオオオオオオオオオオオ


嬢ちゃんやるじゃねぇか!!!!


ここでは力が全てだぜ!!!


会場は謎の武術家 みぃの登場に大歓喜だ


みぃ

【気持ちぃ!やっぱり武術で勝つ

この瞬間のために私は生きてるのよ!!】


その後もみぃは地下格闘技場へと

入り浸り無敗の王として名を轟かせた。


また、ファイトマネーも跳ね上がった。

昼間は学校へ、夕方は地下格闘技場へ

そんな充実した日々を送っていた。


そしてある日の帰り道



???

【君が地下格闘技場の王 みぃ?】


みぃ

【ん?貴方だれ?】


身長は170cmくらいだろうか。

お世辞にも体格が良いとは言えない

青年が立っていた


???

【僕の名前はどうだっていいよ

あと君、漣財閥の令嬢だろ。

次の試合、僕とやらない?】


みぃ

【いいわよ。どうせ誰も勝てないんだから】


???

【すごい自信だね。じゃあ賭けをしない?

君が勝ったら欲しいもの、なんでもあげる

その代わり僕が勝ったら漣財閥をもらうよ】


みぃ

【財閥を貰う?私にはそんな権限ないけど

まず負けないからいいわよ。

欲しいものは当日までに考えとくわ。】


???

【決まりだね。では明日19時に。

僕の名前は凛墓 賢次(りんぼ けんじ)】


みぃ

【よろしくね、りんぼ。】



.............

.........

.....

..


試合当日


みぃ

【ふぅ。昨日のあいつ。なんだったんだろ

まぁ今日も勝って欲しいもの貰っちゃお】


凛墓

【へぇ。逃げなかったんだ。でも残念

君、負けるよ】


みぃ

【あんたは!負けなんて考えたことない

今までもこれからもね。そもそも無名の

貴方が強いとは思えないけど?】


凛墓

【まぁ、やればわかるよ。ほら

かかっておいで】


-試合開始-


みぃ

【じゃあこっちから行かせて貰うわね】


【光歩】

※みぃが編み出したオリジナルの武術

常人ならざる脚力で地を蹴り、光の

速度で移動する技


【終わりね。】


凛墓の背後へと瞬時に移動するみぃ


【琥珀】

※みぃが編み出したオリジナルの武術

音速で拳を前に突き出す技

シンプルだが音速で突き出される拳は

巨岩をも砕く


みぃの琥珀が凛墓を背後から襲う


凛墓

【トレース 光歩】


凛墓がみぃの視界から消える


みぃ

【!?】


【今のは私の光歩!?】


凛墓

【僕、目が良いんだ。

全部見えてるよ 君の筋肉の動きが】


【トレース 琥珀】


音速で突き出された拳がみぃを襲う


すかさず防御の体勢に入るみぃ


凛墓

【その防ぎ方、失敗だったね。】


バキッ


みぃ

【ぐっっ、、、、】


みぃの両腕が折れる


凛墓

【自分の技受けたことないでしょ。

もう腕使えないけどどうする?降参?】


みぃ

【ふぅ。すごい技ね。やっぱり私って

天才かも。たのしいたのしいたのしい】


凛墓

【聞いてないな。目がイッてるじゃん】


みぃ

【剛術】


華奢なみぃの身体の筋肉が

増大する


【これ、見せるの初めてなの。

貴方受けれる?】


【砕脚】

※全身の回転力を使い繰り出される

とてつもない威力の蹴り


凛墓

【だから動きはよく見...】ゴキャ


【ぐあっっ、、】


バキッ ゴキッ


みぃ

【その防ぎ方失敗だったね】


凛墓の両腕が折れる


【これでおあいこ。お互い腕使えないね】


【槍脚】

※槍のごとく突き刺す蹴り

1秒に12発


ズドドドドドドドドド


みぃの槍脚が凛墓の鳩尾をえぐる


凛墓

【ガハッ、、、はぁはぁはぁ

まさかここまでの使い手とは、はぁはぁ】


みぃ

【こっちのセリフだけどね。まぁ次で

終わりね。せっかくだしみせてあげる】


スゥゥ フゥゥ 呼吸を大きく整える


集中


【羅剛】

※極限まで研ぎ澄まされた神経より

身体へ全ての細胞を活性化させる

信号を送り、筋力、回復力を高める


みぃ

【じゃあね。凛墓。さよなら】


【鬼突】

※光速の突き


凛墓

【極気術】


刹那、凛墓の身体を凄まじい

オーラが包み込む


みぃの突きはオーラに弾かれる


みぃ

【なっ!それはまさか!?】



凛墓

【気だよ。全ての武術家の最高到達地点

見えるってことは君も資格があるんだね】


みぃ

【まさかほんとに実在したの...】


凛墓

【ちなみに教えといてあげる。

気が使えるのは最高到達点の一歩手前。

極気術は更にその上の段階にある。

まぁ君にはまだ早かったね。】


みぃ

【くっ、、、でも負けない!!!

私は世界最高峰の武術家よ!

漣財閥の名にかけて負けは許されない!】


凛墓

【最後にひとつ教えてあげるよ】


みぃ

【最後?なによ。】


凛墓

【ニヤ】


【僕は





























武術家ではない】

















みぃ

【なっ、、、】


凛墓

【極気術 羅殺】


ズンッ


ピチャッ


ピチャッ


みぃの身体に風穴があく


みぃ

【ゴハッ........】


凛墓

【ルールに守られた格闘技しか知らない

君にしてはよくやったよ。じゃあね】


薄れゆく意識の中、声がした




《転生を開始します》


【転生?しないわ。私は負けてない!!】


《転生を開始します》


【しないって言ってんでしょ!!!!

私は負けてないのっ!!!負けは!!

許されないの!!!】


《転生に失敗しました》


そこでみぃの意識は途切れたのだった。





第4話 完


--------------


次回 第5話 5th シリアルキラー倍丸

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