あ、続いたわ(笑)

明日の都知事選告示を前に、6月19日(水)16:30から日本記者クラブの主催による、4人の候補予定者の共同記者会見が行われた。

出席者は

・前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)

・現職の小池百合子氏(71)

・元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)

・参院議員の蓮舫氏(56)

である(50音順)。


以下のURLは、東京新聞が詳報した会見の模様である。

https://kakuyomu.jp/my/works/16817139556847973642/episodes/16817139556848696743

候補者同士が相互に質問・回答をするという疑似的な討論の場面も見られるので、よろしければリンク先をご覧いただきたい。


また、この4名だけを紹介するのは公平性に欠けるので、その他の候補予定者については以下のリンクをご参照いただければ、と思う。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240619/k10014485991000.html

NHKによれば、6月18日までに事前の手続きを済ませているのは54名とのことだ。


「事前の手続き」といっても、投票における期日前投票のように、選挙にあたり告示前に立候補を受け付ける制度は現状存在しない。NHKが「事前の手続き」と言っているのは、おそらく「事前審査」のことではないかと推測される。

立候補の届け出は原則として告示日・公示日に受け付けられるのだが、その際提出物に不備があると受理されないことがある。当日中に間に合わない場合は、立候補そのものが危うくなってしまう。それを防ぐため、「事前審査」という慣習があり、候補者が当日提出する書類等を選挙管理委員会があらかじめ事前にチェックして、「大丈夫です」とか「ここが抜けているので記載してください」などとアドバイスするのである。

当該自治体の被選挙権を有する者であれば、書類不備以外の理由で立候補できなくなることはない。むしろ、権利があるのに事務手続きの問題でそれが阻害されることを防止するための慣習と言ってよい。

※54名のお名前、年齢に関しては、ちょっと長くなるので上記リンクを踏んでください。すみません。


さて肝心の争点だが、まだ告示前なのでそのあたりは明確になっていない。しかし争点というのは候補者や政党、ましてやマスコミが作るものではない、と常々思っている。地方選挙であれば、その地域に住む人々が決めるものだ(東京の場合、昼間人口と居住人口が違う点もややこしいのだが)。

現在東京が抱える課題を、いくつか思いつくまま列挙してみようと思う。


【都としての少子化対策】……厚生労働省によると、2023年の東京都の合計特殊出生率(女性一人が生涯に出産する子供の数)は0.99。公式発表としては初めて1.0を下回った。

【教育】……一人ひとりの個性に合った教育、グローバル人材の育成、といったお題目はよく聞こえてくる。では現状をどのように認識していて、将来どんな人材を育成するため、具体的に今何をすべきなのか。

【高齢化社会対策】……国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、都の人口は2040年をピークに減少へと転向するという。2050年には、3人に1人が高齢者となるそうだ。これに伴い生産年齢人口も減少に向かう。

都心部の高齢化も問題だが、23区外の市域、島しょ部などにとってはさらに大きな不安要素となるだろう。都市部にしても、限界集落や限界ニュータウンに類別されるような地域が存在する。いわゆる「消滅可能性都市」である。

【労働】高齢化に伴う労働者不足、非正規雇用の増大、外国人労働者の増大、都市に集中するフリーランス労働者の処遇など、全国的な課題ではあるが、特に東京で顕著・象徴的なケースをどう考えるのか。

【産業】第一次~第三次産業の担い手育成、イノベーション、雇用創出、事業継承など。

【防犯】特殊詐欺や高齢者を狙った犯罪、歌舞伎町など繁華街が誘発する犯罪、テロの危険性など、首都東京の特殊性に起因する犯罪の抑制と防止。

【防災、危機管理】地震や津波、洪水などの大規模自然災害、また首都ならではの安全保障の担保。

【Society5.0を意識した都市DX】どのような戦略に基づいてオープンデータ、ビッグデータを収集し、有効に活用していくのか。人の仕事を機械に代行させる「負のDX」だけではなく、情報を標準化し、有効に活用するための「プラスのDX」をどう確立するか。

【新時代の多様性】LGBT、選択的夫婦別姓、外国人児童や労働者、宗教的自由といった、過去になかった多様性についてどう考え、どう取り組んでいくのか。

【首都東京の中・長期ビジョン】都知事の任期は4年だが、今後東京はどのような街になっていくのか、というスパンの長いビジョンを示す必要があるのではないか。それがなければ、都市計画・開発計画や東京一極集中の問題なども解決に至らない。

【政治の透明性】神宮外苑の再開発、都庁のプロジェクションマッピングなど、都政にかかわる予算やプロジェクトが決定されるプロセスが都民に広く公開されているか。また、そこに都民の意見・意思を反映できる仕組みが十分にあるか。事業の検証と次に資するためのPDCAが確立されているか。


この原稿を書くに当たって、30分ほど考えてみただけでもこれだけ出てくる。まともにやり始めたら大変なボリュームになるはずだ。

参考として、現在の東京都政策企画局が公開している「都の基本計画」リンクを掲げておく。

https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/basic-plan/


これを読まれた方の中で、「こんな課題があるはずだ」「この問題はどうするんだ」などご意見がある方は、コメントなどで共有してくださってもいい。場合によっては、主要な陣営に質問メールを送っても面白いかもね。

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