みる、みられる
立木ミオ
みる、みられる
開かぬ瞼 貫くほどの 視線浴び
産声あげる 初めての朝
寝返りも 足で地面を 蹴る時も
全てみている カメラの目が
大小の スポットライトが わたし追う
おゆうぎかいの 大泥棒の
役者こそ 君の天職 人は言う
無数の目を この身に受けて
口動く 体も動く 思うまま
視線集める 快感ゆえに
あの子の目 妬み嫉みで 濁ってる
あら哀れねと 隠す口元
奪われる 目と心とを いっぺんに
一目惚れとは かくも恐ろしき
君だけだ 澄んだ瞳を 信じた夜
よくもまあそんな 嘘がつけた
燃やされる 私を見る目 笑ってる
燃えるジャンヌに 思いを馳せる
老いていく 私をみるな ひとりずつ
目をつぶして やりたいなぁ
こっちみて やっぱりみないで 矛盾した
承認欲求 心に魔物
浴びすぎは 毒になるのね 黒の目を
放射能みたい と例えてみる
ステージは もうおりたのに 素肌には
まとわりついた ふたつずつの目
みられてる 道を変えても まだみてる
姿のみえない 化け物がみてる
生臭い 台所にて 寝転ぶ魚
死んだ目がちらと こちらを見遣る
私の方 向いてる目の数 数えてる
ひとりでふたつ ふたりでよっつ
手に鋏 握りしめみる 鏡のなか
殺してやると 動く唇
薄れゆく 意識の中で みたものは
輝くあの日 目の中の光
にこりともせず 一文字の 口をした
私の遺影が 私をみている
目が合った ほら合ったでしょ ねぇあなた
これを読んでる そこのあなたよ
みる、みられる 立木ミオ @Mio_tatuki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます