第345話 王位譲渡?

少しして、落ち着いたのか王様が話しかけてくる。


「大叔父様、大公様は何方どちらにいらっしゃいますか?」

何方と言われても恐らくはトリプロの屋敷か城にいると思うよね?


「何かカオリに話でもあるんですか?」

「イエ、実は……あゝどうしよう」

王様は悩み事?


「貴方しっかりしてください、恐らくはあの事でしょう、我々家族は仕方ないと思ってます、息子2人もその事は了承しています、さあハッキリと大叔父様に言ってください」

王妃様が言い終わると王子達2人も頷く。


「実はですね、大公様にこの国の運営を任されましたけど、どうも気の小さい私には重すぎて、これ以上国を運営して行くのに疲れ果ててしまったんです。その上に亜人国の王様の襲来、私はこれ以上夜眠れなくて明日からの業務に支障を来たし、親代々のこの国を傾けてしまうのでは無いかと心配なんです」

確かにカオリはよく国を運営して来たと思うよ絶対に!


「息子達も、もし大公様が生き返り若返っているのなら、また国を運営して欲しいと願っています、どうですその事を大公様に言っていただけませんか?それに我々は少し生活出来る領地が有ればどうにか暮らせていけますし、謀反などこれっぽっちも考えません!」

うーん国の運営か、確かに俺もお好み焼き屋で運営してたけど大変だもんな、国ならばその何倍もの努力をしないと、ウンウン。


「貴方わたし閃きました、お耳を拝借」

王妃様を中心に、4人で円陣を組んでヒソヒソ話、恐らくはやな方向の話なんだろうな?


そして決まったみたいで、王様は和かに笑って俺に言ってくる。


「貴方は確か大公様のお兄様ですよね?」

「ええ本当です、カオリに聞けば証明してくれますよ、それにラシーヌは俺の子供を孕っていますし、その夫になってもいますしね!」

うん無事に産まれたら嬉しいね、地球人と異世界人のハーフ、元々は日本人なんだけどね。


「おおすでに王女様にお子が生まれるんですね、更に良い展開です」

何を言っている王様、その先は何故か聞きたく無いんだけど。


「それでは、今より王様の権利を大叔父様に譲渡して、我らは何処かの領地をもらい生活していきます、たとえメイドや執事が居なくなっても我ら4人で上手く領地を運営します、それでは確かにお譲りしましたから!」

何故か俺の肩にマントを王妃様がかけてくれて、王から王冠を頭につけられた?


「ここの王国は指名制です、もし誰か次の方がいらしゃいましたらその方にお譲りしてください」

「えぇなら、王様に返しますよ、ダメなら何方かの王子様達でも!」

困ったね、突然の宣言で俺は王冠を受け取ってしまった、なら返そう!


「いえいえ我ら家族よりも貴方大叔父様が、最適ですのでよろしくお願いします、

おい執事、まだ城に残っている貴族どもを集めて謁見の間に集合!騎士も全員な」


そしてまた謁見の間に戻る俺たち、本当にどうなるんだ!










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