第342話 王様と謁見!
お城に入って馬車から降りて、長い廊下を歩くと謁見の間の扉の前に来る。
「それでは少しお待ちください、すぐに呼ばれると思いますので」
執事さんは少し扉を開けて、中にいる人と一言二言話しをている。
「それでは私の後をついて来てください」
扉が開き中には兵士と貴族らしい人達がいる。
執事さんの後を4人で付いて行くと、王の椅子にはまだ誰も居ない。
「では少しの間、頭を下げていて下さい」
執事さんが言ってくるけど、3人は中々下げない困ったね!
「おいお前たち、少しでいいので頭を下げてくれるか」
「仕方ない旦那様の言う事だ従おう」
「なら僕もです」
「俺もか!仕方ないな頭など下げんでも良いと思うが」
渋々頭を下げた3人、周りは不敬だとか躾が無いとか言ってるけど、3人を怒らせないでくれよ。
そして上の方で足跡がして、椅子に座る音が聞こえる。
「面をあげよ!」
上で王様の声が聞こえたので、俺は頭を上げると中年の男性が椅子に座っている。
「その方たちがこの国に新たに訪ねて来られたAランクの冒険者達か、遠路遥々御苦労であった。
時間が有れば我が国に滞在して、魔物や魔獣を討伐してくれれば嬉しい、今回の謁見に対して褒美を遣わす」
王様の隣から女性が現れて、皿の上に袋を置いた物を俺たちの前に持ってくる。
「代表の方、その袋を持って一言お礼を」
お礼の言葉は、軽く言って良いのだろうかな?
「ええとありがとう「何だ金貨5枚か、少ないな!」
俺を遮りボタンが、袋の中を見て言ってしまった。
「ええと、どのくらいの価値なんですこれって?」
続いてワカメもギンナも言ってしまう。
「大した事は無いはず、挨拶して貰う物だ期待はしないほうが得だろう」
残りの2人もいい加減な事を言って、俺はどうするんだよ!
「だいたい親戚が来たなら、もっと豪華に祝いの席を設ける物じゃよ!」
ボタンの言葉に、執事さんは驚く。
「親類と言いますと、どの貴族の親族さんですか?」
「あゝ、あの椅子に座っている偉そうな男の親族だ!」
執事さんの質問にボタンが王を指差して、俺の正体をばらし始める。
「あの男は我が旦那様の甥っ子、何を偉そうに椅子に座っているのかは、わしには理解できん、甥ならば此処に来て挨拶するものだ!」
ボタン言い過ぎだよ、周りが騒がしくなってきただろう。
「こ奴ら王様を指差すなど、なんて不敬なんだ!」
「そもそも歳が下だろう、王様を甥だなんて事はあるはずない!」
「そもそも金額に不満を言う事では無いはずだ、少し王都を観光してくれとの配慮なのに!」
そんな事を言われても出た言葉は戻せない、さてどうする。
「皆の者よ少し黙れ!」
王様の声が謁見の間に鳴り響く。
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