第332話 スキル?寿命延長?

俺は思う、全く俺は甘い奴だと!


結局龍は、元の姿から人間の姿に戻り、更に泣いて来る。

女の涙には弱いので結局は連れて行く事にする。


「いいか、絶対に龍の姿にはなるなよ、見つかれば討伐されるかも知れないからな!

それと名前は何と言うんだ?」

「名前はないよ、父も母も娘と言っていたし、兄も妹しか言われてないもん!」

それは困る、名前を付けると使役魔法で俺の下部しもべとなるかも知れない!

俺が死んだ後に、また一人ぼっちでは可哀想だもんね。


「ならば自分で名前を決めなよ」

「何故旦那様は決めてくれないのだ!」

お前、ドサクサ紛れで旦那様と言うなよ、帰って偉い事になるじゃないかよ。


「良いから決めろよ、早くしないと別れるからね」

「嫌じゃ嫌じゃ、なら妹と呼べ兄と同じ様にな」

それカオリのポジションじゃん、バレたらカオリに何を言われるか、両親のどちらの浮気かで揉めるだろうよ。


「それダメ!違う名前にしろ」

「なら旦那様が決めれば良いじゃん、もうワシは決めないから!」

何故か怒る龍さん、竜なら緋牡丹お竜で牡丹なんていいかもね。


「何と言った旦那様!」

「緋牡丹お竜て」

「そのひを抜いたボタンが良いぞ!」


ボタンか、それで本人がいいなら決めるか。


「ならお前の名はボタンだ」

やはり何処からともなく、音声が流れる。

龍を使役しました、寿命が延びます、おめでとう!

何処にあるスキルなんだ?見た事ないぞ!


それよりも寿命が延びたってどれくらいなんだ?

後でスキルとクエストを確認だ!


「どうかしたか旦那様、顔が嬉しそうだぞ?」

「いやいい事があったから喜んだだけだ、それよりも寝るぞ!明日はこの川を下って戻るからね」

「はーい、側に寄って良いですか?」

「良いけど、何もするなよ」

俺が言う事じゃないよな、普通は女の子が言うからフラグが立つんだよね。


何も無く夜が明けて朝になりましたとさ、ただ俺の目はギラギラしている。

月明かりの中、揺れる大きな塊を思わず見ていてしまった。


「大丈夫かな旦那様、朝のご飯はウドンと言うものだと昨日言っていたけど」

ハイハイ直ぐ作りますよ、鍋一杯作っても平らげる龍であった!


そしてジェットスキーで、2ケツで上流から下流に激流下りの要領で下りていく。


「ハハハ、楽しい、空を飛ぶのとまた違うハハハ」

楽しくて用ござんす、俺は居眠り運転しそうですよ。


そして岩下りを終えて、少し広い所に出た。もうすぐ橋に着くだろう。


「おいきたぞ、あれれ? アイツ後ろに誰かいないか?」

「本当だ、女が後ろにいる」


橋の上にいる兵士に手を振る俺。

「手を振るのか旦那様、こうか!」

立ち上がり手を振るボタン、胸も揺れて俺の頭部を刺激する。

目が覚めてしまいましたよ、その感触に!


「やっぱりアイツ女を連れて戻ってきた!」

「くそ〜、やっぱり上流には魔物では無くいい女がいたんだ!俺も探せば今頃は・・・」

妄想騎士さんご愁傷様です。


「よしアイツの通行料は倍でもう一度取ってやる、逃げない様に網を落とせ!」

「いや、もう通り過ぎて行きましたよ、あっちの方ですよ」

俺は全力で橋を過ぎた、だって頭の刺激で興奮してスロット全開になってしまったんだ!













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