第230話 亜人国の変化!
執務室の、応接セットに座る俺たち、対面はシズカとカオリ後ろにリンカ。
対するこちらは俺を真ん中に、左右を王女と侍女長で後ろに騎士団長。
「侍女長、あっちは後ろに立っているぞ、立った方が良いぞ」
対面を見て侍女長に指示する王女。
「ウチも1人背後に立ってますよ王女様」
騎士団長を見て回答する。
「使用人は後ろに立てと、誰か来たらどうするんだ!」
王女が更に指示すると。
「女帝さんが部屋に居ます、誰も入ってきませんよ」
トントン、その時ドアが叩かれウチのメイド5人組みが入ってくる。
「お茶をお持ちいたしました」
みんなで配膳して行く、気がつくと侍女長は俺達の後ろに立っている、素早い!
そして配膳が終わって、5人は外に出て行く。
「ほら見なさい、素直に後ろで立っていなさい」
カオリの言葉に、素直になる侍女長さん。
「フフフ勝った、貴女は後ろがお似合いよ」
「う〜、王女様が虐めるんです旦那様」
俺に今度は後ろから抱きつく、侍女長さん。
「良い加減にしなさい、話が進まないから蘭も立ってなさい」
「えぇカオリさんは妊婦に立っていろと、小姑が虐めます旦那様」
「もう漫才は辞めてくれ、話が全く進まない!大人しく出来ないなら退出!」
そんなカオリの言葉で、王女は俺の隣で姿勢正しくしている。
「フー出来るなら最初からしなさい蘭!ではシズカさんどうぞ」
今度はシズカが喋り出す。
「実わな、もう何十年前になるか忘れたが、妾が皇帝の養女になった頃に亜人達に変化があったんだ!
何の変化と言うと、洋服を着る様になったんだよ」
「洋服は昔から着てませんでしたか?」
シズカの話にカオリが質問した。
「ふつうに来ていたけど、大体毛皮か我らの古着だな、しかしある時からそれがオシャレになり始めたんだ」
「亜人達がオシャレに目覚めたんですか」
「あゝ確実に人間を真似て来ている、羽があろうと尾があろうとキチンとデザインされている。
そして生地も輸入していた物を、この頃は輸出までして来た、食材もな」
カオリも思い出す。
「そう言えば、ある国から生地の輸入打診が来たのはその頃ですね、何年かして食糧もウチから輸出し始めましたね、そして違う作物を輸入し始めた」
カオリが言うとシズカは怪訝の顔。
「やはり王国は影で食料を輸出していたんだ! もしかして戦争の準備だと思わなかったのか!
だから妾は人間の危機だと思って輸出を停止して、国境を亜人通行禁止にした。
それからあの国といがみ合っている」
シズカの説明にカオリは。
「そのトバッチリが我が国に来たとシズカちゃん」
今度はカオリがシズカを睨む。
「すまんかったカオリちゃん、ただ昔はマサシが現れたら亜人国に取られると思ったのも一理あるんだ」
「俺が原因の一部みたいに言わないでくれるかシズカ、それでおしゃれになった亜人はどうなった?」
俺は抗議したのに、カオリはそれを否定する。
「大体さ、亜人の国に先に着いたら脱出が出来ないわよお兄ちゃんはね」
いえ最初の国にエルフ居ましたけど、変な騎士団長に嫌がらせさせられて逃げて来ましたよ!
「あれ旦那様、最初はスベリエ王国に着いたんですよね?」
言うな王女、ホラみろシズカの目元が変わった。
「マサシ我らよりもやはりエルフが良いのか、ならば我が国の魔法使いに耳を伸ばさせれば良いのか?」
えぇそんな人を変化させる魔法があるんだ!
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