第224話 閑話(帝国の皇太子(前皇帝))

ドアのガラス戸の隙間から外を見るシズカ、騎士の一団がいる。


「やっぱり西洋の鎧、異世界確定かも」

ただ外の騎士達が、味方なのかは分からない用心をしないと。


「殿下この建物は何でしょう、見た事もない形ですし、何やら知らない言葉で大きく書いてあります」

「あゝ俺も見たことがない、誰かその扉を開けて店主に聞いてみろ」

1人の騎士が前に来て、戸を開けようとするが開かない。


「どうやら鍵が、かかっているようです」

「なら呼んでみよ、誰か出てくるかも知れん」

外で中に声をかけてくるが、シズカは出ようか迷う。


「おーい誰かいませんか? 此処は何の建物です・・・おーい誰か」

その言葉でシズカは恐る恐るガラス戸を開ける、その段階で自動ドアのスイッチは切ってあった。


「あのー、取り敢えず言いますけど、此処は蕎麦屋です」

シズカの姿を見た騎士が。


「何〜子供、親は何処だ!」

「ええと町内会の会議に行っています」

シズカが言うと、騎士は周りを見渡して言う。


「嘘をつくな!周りは森だ他の家は無い、それに町内と言うが街も近くには無いぞ!」

騎士は怒ってはいるけど、シズカに周りの情報をくれる。


(森の中、周りに家は無いどうしよう?)

シズカが考えていると、別な男が近づいてきて話しかけてくる。


「君は何故この森に居る、此処は我が国と隣国の境の森、まあお互いにこの中は相互不可侵の契約で魔物退治しか中に入らん、だから監視は緩いと言っても建物を建てて住むことは叶わない!いつから此処に住んで居るんだ?」

後から来た男が、シズカに聞く


「ええとよく聞いてください、実はこの森には少し前に来ました」

すると最初の騎士が剣を抜く。


「嘘を言うな、昨日も通ったけど、こんな建物は無かった!」

「まあまあ騎士団長、落ち着け彼女が怖がっているぞ、それでその後は?」

最初の男が騎士団長なら、今私と喋っている人はその上の人なの?


「そしてよく周りを見たら、私のお蕎麦屋さんの建物があったんです!

ただ2階は有りません」

2人は建物を見る、確かに真ん中の屋根が壊れている。


「そうだな1階だけの建物だ、それで?」

「気付いて中に戻り、トイレに行って見たら凄い振動と音で外を見ようとしたら、獣の声とあなた達騎士の声がしました」


「ええこの建物は凄い頑丈だったね、猪の突進にも壊れる事は無かった、だから奴は建物を狙って油断していたので、あっさりと倒すことが出来たよ!それは感謝だ」

騎士団長さんが感謝の言葉をシズカにかける。


「あゝ凄い建物だ、大猪の突進攻撃を防ぐなど、石造の塀か家ぐらいしか無いだろう、我が城なら大丈夫だがなハハハ」

隣の男の人が笑った。


「ただこの建物が、盗賊や魔物の棲家となると話が違ってくる、この中に誰も他にはいないのか?」

「いません、いませんよ!」

シズカが、慌てて言うと。


「なら騎士団長、中を見せてもらおう」

男の人が入ろうとすると、騎士団長に止められる。


「もう殿下、危険です最初は私が入ります」

騎士団長が、男の人を止める。


「あの〜、両親に知らない人を入れてはいけないと言われてます」

シズカは、頑張って言ってみた。


「おおそうだな、我はこの国の皇帝の息子皇太子のグライダルだ、以後お見知り置きを可愛いお嬢さん」

「もう皇太子は!私は第2騎士団長のヘンリーです、よろしくね」

シズカは思う、オオ偉い人たちだと!


「では開けます中をご覧ください、お蕎麦屋さんです」

ガラス戸を開けて見せた先は、完璧なお蕎麦屋さん!


ただこの世界には無い物だ!












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