第223話 閑話(女帝の異世界転生!)

応接セットに座り、話を始める女帝シズカ。


「まずは元の世界からじゃな! マサシが乾物屋の一階と共に居なくなって、1週間経った頃だけど、私は朝の掃除から店の開店準備をしていたんだ!

何故なら隣の乾物屋の店舗が無くなって2階だけになり、親父達は朝から晩と対策会議を開いていたからね、娘の私が蕎麦屋の準備をしていたんだ。

そしてなんだかんだと動き回っていたけど、ふっと気がついた時、お湯が沸騰していない事にね!

そして少しガス臭いけど、火を付ける為にライターをガチャとした瞬間に、周りが光って気がついたらこの世界だよ」


カオリは思った、コイツもガス臭くても着火するアホかと!隣同士似たものが後継ってか! 両方とも共倒れしてこの世界に飛ばされているじゃんと。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「何?何があったの、此処はどこ」

一階の蕎麦屋の床に仰向けで倒れたシズカ、上には青空が見える。


「あれ、何でこんな事になっているの? 確かガスが消えて火を・・・大変ガス爆発で2階が飛んでいったの?」

シズカは起き上がり周りを見渡す、何故か店舗は綺麗なままだ!

そして今度は外にでると、1階の店は有るけど2階は何処にも無い。


何故か視線が低いようにも思えてもう一度中に入って、トイレに行く。

鏡を見てみると、小学生の頃の自分がそこには写っている。


「えぇ何でどうなっているの、まさか異世界に転生したの?」

シズカは現代人、転移転生物語りの話はよく知っている。


「何故この世界に来ているの、もしかして隣の乾物屋も2階しか残ってなくて1階はこの世界に来ているかも知れない」

ラノベを散々見ていたシズカは、ふと思ってある言葉を唱える。


「ステータスオープン」

目の先の方に、透明な掲示板が出てくる。

「やっぱり此処は夢の中か異世界、ならば一応能力を確認しておかないと!」


名前、ミナモト シズカ。

年齢、21歳。

レベル、1。

職業、料理人。

HP、30。

MP、200。

SP、100。(ポイントを使うと何かを覚えます)


スキル、蕎麦屋、言語理解。


「このお店ってスキルなんだ、ならどうやって移動しよう、それに此処って魔物とか出ないの?」

その言葉はフラッグ、建物が揺れる。


「何また何なの」

恐る恐る玄関の方に行くと、猪が店の玄関の前にいる。


「うそ〜、猪がいる」

そしてまた猪はこの入り口に突進してくる。

「きゃー」

ドッシンと音と共に建物が揺れる。

「えぇお店壊れちゃうの、やだよ誰か助けて」


何度も何度も猪は入り口に突進してくるが、建物は揺れるだけで壊れる気配は無い。

「もしかしてこの建物、不解か何かの魔法がかかっているの、でも何も書いてないよね」

シズカはまだステータスをよく見ていなかった、猪の突進でそれどころでは無い!

見ていればこの後の行動も、変わっていただろうに。


そして外から、猪の鳴く声がした。

「ブモー」

その後に人の声。


「やったか」

「あゝ死んだようだ」

「皇太子殿下、退治しました」

外で誰かが、猪を退治してくれた様だった。











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