第199話 またかよマサシ!
「結構大変だな、何処まで登るんだ?」
女帝は侍女長に質問する。
「女帝様程のお客様を下々と同じ扱いは出来ませんよ、最上階の王族のみが止まる部屋に行きますけど」
「老婆には辛いから、その辺の上等な部屋でも良いぞ!」
一瞬侍女長は考える、そうだよトイレがアレになったままだ。
最上階変更此処で止めないと! そして短い時間で考える侍女長さん。
「もしそれでこの国に罰が有っては困りますけどね、女帝様」
登り廊下は流石にキツいのか? 女帝も早く休みたいようだ!
「しないしない、妾は早く休みたいだけだ!」
「ならこの階の部屋を見て決めてください」
そして今いる3階の部屋を見て回る。
「あゝこの部屋で良い、後はメイド達に何室か借りよう、兵士は下の広場で良い」
「兵士は馬車乗場で良いんですか?」
「あゝそれで指示を出す、ご苦労様何かあったら呼ぶから」
侍女長が下がると、メイド達が部屋を探る。
「あゝ此処は何も無いわよ、あるなら突き当たりの部屋だからね」
元の持ち主カオリの言葉。
「まあ貴女が言うなら間違いないな、所で王女の婿は本当にいるのか?」
「いると思うけどね・・・ただ私も知らないから死んでいたしね!」
「死んでいた?」
カオリは女帝に説明する。
「あの黒い大地も知らなかったのよ、前に行った王城で死んでこの城に移動そして遺体安置所で復活したからね、王女の婿にもあってないから!」
全て大嘘、王女様にお兄ちゃんを仕掛けたのは私、今言ったら大問題だから黙っておく。
「そうか、なら見てなくても仕方ないか、兵士たちが男を探すのを待つとするか!」
2時間後、兵士が女帝に報告してくる。
「女帝様、この城の男は全て集めました、ただ後ろの館は女人のみが、入れる様で男性は禁止と入れません」
まぁ王女にはリンカが付いていっている、その内に報告が来るだろう。「分かった下に行く」
女帝は靴を履いて下に行く。
「カオリちゃん、どうやら後ろの館に匿っている様よ、案内よろしくね!」
内心ドッキリのカオリ。
「ええと、まあ何も無いと思うから行きましょうか」
取り敢えずは下に来て、馬車乗場で男性騎士や執事を見渡す女帝、目が合うたびに皆んな下を向く。
「うーん、どれも妾の好みと違うからいないな?」
目を逸らされて、少し御立腹の女帝様。
「何を言っているの貴女?」
「イヤ王女の趣味なら妾と一緒だろう、あの生意気な態度は同じ臭いがするからな!目を逸らす小物など相手にはするまいハハハ」
やっぱりこの世界で、もしも女帝の旦那様になれるのはお兄ちゃんなんだ!
ハーレムしか無いんだね! 頑張れお兄ちゃん我がサダ家をこの世界にも引き継がせて下さいね。
そんなカオリの心と裏腹に、俺は奴隷達が作る領地に向かう。
「この方向であっているよね」
「トントンもしもし」
王女様は自分の執務室に入ってくる。
(いたら隠れていてよ、変なのが付いてきてるから)
王女様は小声で部屋の中に忠告する。
「どうしました王女様、中にトイレは有るんですか?」
「ええと、確かこの先にあるはずよ」
(おかしい)
女帝メイドのリンカは王女様の仕草に疑問を感じる。
「もしかしてこの中ですか!調べます」
ドアを開けて、王女様を押しやり部屋を見渡す。
「ちょっと痛いじゃないの何よ!」
「貴女が隠し事をしているのが悪いのです、それでは!」
リンカは隅々まで見回して机の裏や、本棚の中も漁る、秘密の押し入れも通路も何処にもない。
「何も無いですね、失礼しました」
リンカは王女様に謝り廊下に出る。
「本当に汚れたわよ!しかし?」
私は此処にいてと言ったはず、何故居ないのかしら?
王女様が分からないまま、時は進んでいく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます