第198話 シラを切る!

乾物屋を仕舞って俺は考える。


人に会わなければいいんだよな、ならば・・・逃亡!


俺は急いでマウンテンバイクを出して魔力を注入、館の後ろの森から逃亡を図る。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「ほう王女よ元気か?」

「貴女が現れる迄は元気よ! 何をこの国にしに来たのかしら?」

女帝を睨む王女様。


「相変わらず、行儀の悪い王女様だな! ただ何個か聞きたいことがある、素直に答えてくれるかな?」

女帝は微笑み聞いてくるけど、王女様は警戒を解かない。


「答えられる範囲は答えますけどね、あまり奇抜な質問は困りますよ」

王女様は、一応牽制しておく。


「まず大公の生死だ、それはもう質問でないかな!」

微笑みながら女帝の最初の質問、やはりコレかと女王様は思う。


「答えるわよ、貴女が思っている通りよ、それが答えね」

「妾に委ねるか、ならば国中に話して回るぞ!」

素直な答えでは無いので女帝は少し脅す。


「どうぞご勝手にね! 阻止は出来ないから私は邪魔はしないわよ」

此処では否定も肯定もしない、それが答えよね。


「なら次の質問だ! 妾が此処にくる前に寄った所にある穀物を分けて貰いたい。

それもあるだけな!」

黒い大地を見られたの、穀物て米よね?


「それは無理ね、出資者がいてそれを全部買い上げているからね」

お兄さんの物は勝手にあげられないわよ! 例え女帝でもね。


「早々その出資者と話し合いたい、お前さんの旦那だと聞いたぞ、どんな男だ見せてくれ、祝いもあげたいからな」

微笑む女帝、少し焦る女王様。


「い、今は居ないし、旅に出ている!」

居るけど紹介はしないよ貴女には!


「ほう隠すか、なら何日か泊めて貰ってこの城中調べさせて貰う、まず落ち着く部屋に案内しろ! 騎士達は男を探して此処に集めておけ後で調べる」


(どうします王女様)

侍女長さんが聞いてくる。

(取り敢えず最上階の奥の部屋に案内しておけ侍女長、私は執務室に行ってくる)


「では女帝様、最上階のお部屋に案内します」

侍女長さんが、女帝とメイド達を案内する。


侍女長が案内して、王女がついてこない事に不審がる女帝。

「リンカ、王女について行け、可笑しな行動をしたら束縛して連れて参れ!検証する」

「はい女帝様」


女帝のメイドが付いてくる、作戦失敗。

「トイレよトイレ!仕方ないでしょう」

「まあ邪魔はせんよ! 大でも小でも、まあ好きにしてくれお前の城じゃろうからなハハハ」

侍女長さんと上に行く女帝。


「ではついて行きます」

リンカは王女に告げる。


「良いわよ、ただ貴女は帝女様付きなのだから、他所の国の王女の下の世話をしなくても良いからね」

「大丈夫です、慣れてますから!」

仕方なく館のトイレに行く、何故なら乾物屋の店が無いからだ。

(仕方ないわよね、バレるのは不味いもん、最上階のトイレでも良かったけど・・・不味い隠してない、侍女長上手く誤魔化してね)


そんな心配の王女だけれど、カオリがいた事で早々拙い立場になる。


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