第196話 戻った!

帝女一行よりも僅かに先に領都に着いた俺達。


「あーあ、ついに帰ってきてしまった我が領都」

「まだお兄さんのものでは無いですよ!」

俺の言葉にラインコールは反論する。


「ならなんて言うんだラインコールさん!」

「何故怒っているんです、皆さんに会えるんですよ!」

憂鬱だ、あの王女様が少しでも優しければ会いたいけど、トゲトゲ女だからたまに顔を合わすのはキツい!特に今回はね。


「ほらもうすぐ領城です、すぐ後ろを回って背後から行きますか?」

「いや前で、馬車乗場から歩いて背後に行きたいな、少しでも時間をかけて背後に、何なら店でお風呂入ってビールを飲んで酔ってからでどうだいラインコール君」

ナイスな提案の俺、さあ乗れラインコール君!


「君ですか、何か怖い誘いの様ですね、まあ馬を置く手前、城の馬車乗場に馬を繋ぎましょうね」

俺達は知らなかった、王女様以下全員がそこにいる事を!


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「何! 帝国から早馬?、此処は王城では無いのに何でです?」

「もしかしてカオリさんの密書ですか?」

「いえカオリさんの事で帝国から何か来るはずは無いでしょう、ならばとりあえずは会わないと」

王女は館の入り口をでて、早馬から伝令を聞くことにする。


外で待っていると、馬から降りた伝令が走ってくる。

「ご苦労様、帝国から伝達ですか?こちらが此処の主人の王女様です」

侍女長が王女様を紹介する。


「よろしくね、それで伝令はなんですか?」

王女様は伝令に聞く。


「はいもう2時間程で我が帝国の女帝様一行がこちらに来ます、出迎える様にと」

伝令の言葉に、皆んな驚く。


「「「はぁー!」」」

「ちょっと女帝さんがこの辺りに来てるなんて聞いてないよ侍女長!」

王女様は慌てている。


「私も初耳です、騎士団は聞いてます?」

侍女長さんも慌てふためくが騎士団長に聞いてみた!


「同じく聞いていません、それになんの用でしょう?」

「だって大公様がアレだから、なんでこの国に来るの?」

王女様はかなり混乱している。


「まさかカオリさんが何かした?」

侍女長さんの推理。


「潜入失敗ですか?それでも女帝様がこちらに来るの早すぎます」

騎士団長の解答、しかし。


「まだお兄さん帰って無いのにどうする?」

「ともかく人を城前に集めて、後なるべくお店を隠しといて!伝令さんお待ちしてますって女帝様に言っといて!」

「はっ、それでは戻ります」


伝令は帰っていく。


「全くなんの話なの、私は何も無いわよ!」

「此処に来るなら王様には会ってますね、その情報よりも移動が早いんですか?」

「抜け道を通って、こちらに王様が来てないなら、まだ平和ね、とりあえずはお城の入り口で迎えます」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


そして今王女以下の全員が、揃っている前に俺達は現れてしまったとさ!


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