第196話 戻った!
帝女一行よりも僅かに先に領都に着いた俺達。
「あーあ、ついに帰ってきてしまった我が領都」
「まだお兄さんのものでは無いですよ!」
俺の言葉にラインコールは反論する。
「ならなんて言うんだラインコールさん!」
「何故怒っているんです、皆さんに会えるんですよ!」
憂鬱だ、あの王女様が少しでも優しければ会いたいけど、トゲトゲ女だからたまに顔を合わすのはキツい!特に今回はね。
「ほらもうすぐ領城です、すぐ後ろを回って背後から行きますか?」
「いや前で、馬車乗場から歩いて背後に行きたいな、少しでも時間をかけて背後に、何なら店でお風呂入ってビールを飲んで酔ってからでどうだいラインコール君」
ナイスな提案の俺、さあ乗れラインコール君!
「君ですか、何か怖い誘いの様ですね、まあ馬を置く手前、城の馬車乗場に馬を繋ぎましょうね」
俺達は知らなかった、王女様以下全員がそこにいる事を!
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「何! 帝国から早馬?、此処は王城では無いのに何でです?」
「もしかしてカオリさんの密書ですか?」
「いえカオリさんの事で帝国から何か来るはずは無いでしょう、ならばとりあえずは会わないと」
王女は館の入り口をでて、早馬から伝令を聞くことにする。
外で待っていると、馬から降りた伝令が走ってくる。
「ご苦労様、帝国から伝達ですか?こちらが此処の主人の王女様です」
侍女長が王女様を紹介する。
「よろしくね、それで伝令はなんですか?」
王女様は伝令に聞く。
「はいもう2時間程で我が帝国の女帝様一行がこちらに来ます、出迎える様にと」
伝令の言葉に、皆んな驚く。
「「「はぁー!」」」
「ちょっと女帝さんがこの辺りに来てるなんて聞いてないよ侍女長!」
王女様は慌てている。
「私も初耳です、騎士団は聞いてます?」
侍女長さんも慌てふためくが騎士団長に聞いてみた!
「同じく聞いていません、それになんの用でしょう?」
「だって大公様がアレだから、なんでこの国に来るの?」
王女様はかなり混乱している。
「まさかカオリさんが何かした?」
侍女長さんの推理。
「潜入失敗ですか?それでも女帝様がこちらに来るの早すぎます」
騎士団長の解答、しかし。
「まだお兄さん帰って無いのにどうする?」
「ともかく人を城前に集めて、後なるべくお店を隠しといて!伝令さんお待ちしてますって女帝様に言っといて!」
「はっ、それでは戻ります」
伝令は帰っていく。
「全くなんの話なの、私は何も無いわよ!」
「此処に来るなら王様には会ってますね、その情報よりも移動が早いんですか?」
「抜け道を通って、こちらに王様が来てないなら、まだ平和ね、とりあえずはお城の入り口で迎えます」
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そして今王女以下の全員が、揃っている前に俺達は現れてしまったとさ!
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