第195話 米が見つかっちゃった!

女帝達一行は、王女達と同じ方向でブロウデス王国を見回る。


「藍も変わらず、発展の無い国じゃな面白く無い」

「あんたが何をやろうと文句を言うからでしょう!少しは同盟国の事を思いなさいよ」

過去の帝国の話をするカオリ。


「フフフカオリちゃん、同盟相手が力をつけると困るのよ親はね!なるべく国力を削ってさ、何かあれば恩を売るのよこの世界はね!」

「ハイハイそのせいで、何にも発展しない国になったわよ40年間ね、ただこの先は発展してもいいのよね?」

亜人差別を無くすなら国力を付けても良いのだろうと思うカオリ。


「やれるならどうぞ、ただ貴女抜きで何処まで発展できますかねフフフ」

「まあ見てなさい!あれ?」

何日か視察していると黒い大地に緑の部分が一部ある所にたどり着く。


「こんな所、あるはずは無いのだけれどいつ出来たのかしら?」

「何この黒い大地、よく見ると小麦でも作っているの?」


黒い大地に緑の耕地、マサシが最初に魔法をぶっ放した所だ。


「へーこんな所でも小麦が取れるんだ、ふーん・・・ちょっとちょっと止まりなさい!」

女帝の言葉で馬車は止まり、一行も止まる。


「降りなさいカオリちゃん、リンカ降りておいで!」

女帝が1番最後だろうと思うけど、本人の動きが早い、70歳じゃ無いの?


「ほら此処、稲よ稲、お米の元よ何故此処にあるの?」

カオリは、女帝と一緒に確認したけど確かに稲だ!米だ!


何故あるの?お兄ちゃんの所で持っている以外にこの世界には無いはず、私も散々見つけた口よ。


「これはこれは何処かのお貴族様ですか?」

背後から男が声をかけてくる、騎士達は抜刀する。

思わず腰を抜かす男。


「みんな良しなさい、刀を閉まって、その男性を立たせなさい」

皆んなに刀を抜かれて、男の人は腰を抜かしていたが立ち上がらせられる。


「ごめんなさいね、この方は帝国の女帝さんなのよ、この国を視察中なの!」

カオリは立ち上がった男に説明する、そして。

「何故此処に稲があるの?」


カオリの質問に男は慌てているけど答えなくてはいけないと、何処かで警告が鳴っている。


「ええとある方に種をもらって増やしている所です、今は2回目で、稲の育つのが早く種籾も増えていて、来年あたりにはかなりの量を出荷出来ると思います」

男は震えているけど、どうにか答えた。


「へーなら来年は帝国に出荷しなさい!」

「それは出来ません、個々の物はある方が全て買い上げています!種もその方の提供ですので、他には出荷出来ません。」

男は言い終わると、また腰が抜けて座り込んでしまう。


「なら聞くけど、その人は何処に居るのかしら?」

男はしゃべりたく無さそうだけど、首に剣があてられる。


「言います言います、領都に王女様の旦那様がいますその方の提供です」

剣は鞘に仕舞われる。


「あらあの王女結婚したの?貴女知っていた?」

(不味い死んでいる間にこんな所で米の生産が始まっていたの?よく情報聞いてから帝国に行くべきだった)


「おーい、聞いているのか?王女が結婚したんだって、あんたと同じに気の強い女だけど物好きな男がいたもんだね、だから自領に戻ったのか!」

(うわー不味いお兄ちゃんのいるのがバレる、蘭ちゃんの婿だと知ったらどうなるんだろう?」


「もう聞いているの!」

「はいはい聞いてますよ、余ったら貰いましょうね、あの王女なら話が分かりますからね!」


「ハハハアイツが話が分かる、お前の横で私を睨んでいることしか出来ない女だよ! 絶対に話は通じ無いよ、まあ聞くだけ聞くか?」

そして女帝一行は馬車に乗り先に進む。









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