第194話 その席誰の席!

自転車で戻る道筋、俺は憂鬱だ!


「ラインコール、王女様怒っているかな?」

「ええ、すぐに戻らなかった事は怒る対象でしょうね!」

だよね〜、あのままあそこに居たかった。


「素直に謝りましょう、私も一緒に謝りますからね」

アリーチエは優しいね、あの王女様に爪の垢でも舐めさせたいよ!


「ならばすぐに戻ればよかったんでは?」

「ヌールさんは分かってないな、あの人数を連れて行ったら問題が増えるんだよ!」

「お兄さん、どのみちバレてしまいますよ、遅かれ早かれ!すぐに報告してください、我々もある程度は庇いますからね」


翌日にはトリブロ領土に着く。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「よく来てくれました女帝様」

ブロウデス王は王座から降り女帝に頭を下げている。


此処はブロウデス王国王城、先触れで騎士が来て、女帝が本日王城に来る事を伝えて来たので、王は王座を降りて待っていた。


彼方の席にお座り下さい、手の先には王座。

王としては屈辱だけれど、大公なき今座らせる事を拒否出来ない。


カオリは、いつもの如く王座の後ろの大公席に座る、この国の最高権力者しか座れない席だけど、習慣で座ってしまった。


その時王以下ブロウデス王国の面々は、苦虫を潰す思いだ!


王の席を譲っても、大公様の席は譲れない!


しかし相手は帝国、言葉を出すわけには行かない。


「あら行けない何時もの週間で此処に座ってしまったは!ゴメンゴメン」

そう言って女帝の後ろに立つカオリ。


「お前な〜、対立を煽る行動はよせ、みんな変な顔をしているぞ!王よ我が配下の行動は謝る、すまんかった」


それでも怒りが冷めない王と配下の者達。


「早々その椅子の御仁の事で聞きに来た! 大公は何処だ!すぐに呼んでくれ話がある」

大公席に指を指す女帝。


その言葉で、王達はしまったと言う顔に成る、何故なら箝口令を引いているからだ。


「大公様は、自領に戻られています!」

咄嗟に嘘をつく王様。


「同盟を結ぶ者として嘘は困るな、我が情報に間違いは無いはず!大公はこの世には居ないな!」

女帝から告げられた現実、誰が帝国に教えた、王は下を向き怒りを床に向けている。


「王国の誰でも無いから安心しろ、それよりも返事をしてくれ!大公はこの世には居ないな!」

王は仕方なく頷く。


「分かった、それよりも妾の話を聞いてほしい!この国との同盟条件に合った亜人の件だ、我らはもう亜人との対立を止めるのでこの国も辞めて良い!」

「ええとその事は最初の条文ですけど?」


王は女帝に対して質問したけど、女帝は話を進める。


「この大陸で争っていても先は無いから、妾が生きているうちに方針を変える事にした!そちらが良ければ条約の最初を消してくれ」


これは両国にとって、昔から合った約束事!そして前王が亡くなった時に帝国から最初に言われた言葉、それを40年ぶりに変えるのか? 王は戸惑う。


「まあすぐとは言わない、ただ妾が生きているうちに変えないとその先は分からんからな、この国を一周してまた戻ってくる!それまでに答えをくれ、では行くか」

女帝は王座から立ち王の間から出ていくカオリもだ。


「何故此処で変える、それも亜人を認める方に?」

王は戸惑うが、女帝が国を視察して一周する間に決めねばならない。


「誰か王女様に連絡しろ、そちらに女帝様がいく!そして同盟条約の変更だと伝えろ!」


何人かの騎士と文官が王の間より出ていく。


「ともかく王女様の判断はどう成るか聞かないと!」


大公死んだ後でも、まだ王様は何も決められないお子ちゃまだ!









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