第194話 その席誰の席!
自転車で戻る道筋、俺は憂鬱だ!
「ラインコール、王女様怒っているかな?」
「ええ、すぐに戻らなかった事は怒る対象でしょうね!」
だよね〜、あのままあそこに居たかった。
「素直に謝りましょう、私も一緒に謝りますからね」
アリーチエは優しいね、あの王女様に爪の垢でも舐めさせたいよ!
「ならばすぐに戻ればよかったんでは?」
「ヌールさんは分かってないな、あの人数を連れて行ったら問題が増えるんだよ!」
「お兄さん、どのみちバレてしまいますよ、遅かれ早かれ!すぐに報告してください、我々もある程度は庇いますからね」
翌日にはトリブロ領土に着く。
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「よく来てくれました女帝様」
ブロウデス王は王座から降り女帝に頭を下げている。
此処はブロウデス王国王城、先触れで騎士が来て、女帝が本日王城に来る事を伝えて来たので、王は王座を降りて待っていた。
彼方の席にお座り下さい、手の先には王座。
王としては屈辱だけれど、大公なき今座らせる事を拒否出来ない。
カオリは、いつもの如く王座の後ろの大公席に座る、この国の最高権力者しか座れない席だけど、習慣で座ってしまった。
その時王以下ブロウデス王国の面々は、苦虫を潰す思いだ!
王の席を譲っても、大公様の席は譲れない!
しかし相手は帝国、言葉を出すわけには行かない。
「あら行けない何時もの週間で此処に座ってしまったは!ゴメンゴメン」
そう言って女帝の後ろに立つカオリ。
「お前な〜、対立を煽る行動はよせ、みんな変な顔をしているぞ!王よ我が配下の行動は謝る、すまんかった」
それでも怒りが冷めない王と配下の者達。
「早々その椅子の御仁の事で聞きに来た! 大公は何処だ!すぐに呼んでくれ話がある」
大公席に指を指す女帝。
その言葉で、王達はしまったと言う顔に成る、何故なら箝口令を引いているからだ。
「大公様は、自領に戻られています!」
咄嗟に嘘をつく王様。
「同盟を結ぶ者として嘘は困るな、我が情報に間違いは無いはず!大公はこの世には居ないな!」
女帝から告げられた現実、誰が帝国に教えた、王は下を向き怒りを床に向けている。
「王国の誰でも無いから安心しろ、それよりも返事をしてくれ!大公はこの世には居ないな!」
王は仕方なく頷く。
「分かった、それよりも妾の話を聞いてほしい!この国との同盟条件に合った亜人の件だ、我らはもう亜人との対立を止めるのでこの国も辞めて良い!」
「ええとその事は最初の条文ですけど?」
王は女帝に対して質問したけど、女帝は話を進める。
「この大陸で争っていても先は無いから、妾が生きているうちに方針を変える事にした!そちらが良ければ条約の最初を消してくれ」
これは両国にとって、昔から合った約束事!そして前王が亡くなった時に帝国から最初に言われた言葉、それを40年ぶりに変えるのか? 王は戸惑う。
「まあすぐとは言わない、ただ妾が生きているうちに変えないとその先は分からんからな、この国を一周してまた戻ってくる!それまでに答えをくれ、では行くか」
女帝は王座から立ち王の間から出ていくカオリもだ。
「何故此処で変える、それも亜人を認める方に?」
王は戸惑うが、女帝が国を視察して一周する間に決めねばならない。
「誰か王女様に連絡しろ、そちらに女帝様がいく!そして同盟条約の変更だと伝えろ!」
何人かの騎士と文官が王の間より出ていく。
「ともかく王女様の判断はどう成るか聞かないと!」
大公死んだ後でも、まだ王様は何も決められないお子ちゃまだ!
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