第171話 金貸し!

俺がパン屋に払う金を袋から出していたら、女騎士が言ってくる。


「やはり外の奴隷は、ブロウデス王国の者達なんだな! 正体を表したな施しをしたら、お前達の部下だとわかるだろう!」

女騎士騎士は、勝ち誇った様に俺に聞いてくるけど。


「違うよ、その説明は後で交渉の時にでもね」

本当の事だ、俺は何も関係ないけど、一緒に行動したから情が湧く。

日本人のさがだな!


そして街中の、少し豪華な建物に到着、騎士達は馬を降り門の中に入っていく。


「おい街長はいるか私だ!」

女騎士はドアを開けて、中に声高に言う。


少しして、男が、奥から走ってくる。


「これはホールズ辺境伯様、本日はどの様なご用件で? 確か砦に何日か泊まるとの事でしたけど?」

街長と言われた男は女騎士が現れた事を不思議がっている、それとアンタ辺境伯なんかい!


少し困った様に辺境伯は言う。

「まあ砦は無くなったよ、街長の部下も何人か亡くなった!その原因とこれから交渉するから、部屋と文官を出してくれ!」

原因てあんたが、俺の話を聞かないからだろうに!全て俺のせいにするなよ。


「待ってください、砦が無くなった? 部下が死んだんですか?」

街長は慌てて辺境伯に聞いて来る。


「あゝ私の判断ミスだ、部下の事は謝る、それ相当の金は後で請求してくれるか!

それと早急に砦を構築する、その手配もお願いしたい」


「とりあえずは、至急部屋を用意します、では少しお待ちください」

街長は奥に走っていく。


「フー、なぁお主、金があるなら貸して欲しい」

俺に金をせびる辺境伯さん、何でかな?


「辺境伯なら、お金はあるでしょう、俺に借りなくてもね」

俺の問いに辺境伯は言ってくる。


「無い」

アッサリ言ってくる辺境伯、本当か?


「お主ならかなり持っているだろう、さっきパンを買う時に、袋の中に白金貨が何枚も見えたぞ!」

あゝあの時に見られたのね!


「貸すなら返して貰えるんですか?

カオリからかなり白金貨を貰ったので1枚2枚ならあげても良いけど知らない人だしね。

「あゝ交渉とは別に、その事も別の証書を書くから安心してくれ!」

「ではいくらですか?」

「金貨10枚を貸してくれ」

「なら白金貨1枚で良いですね」

「同じ金額だ、お願い出来るのか」

俺は袋から白金貨を出して渡す。


「はい貸しですからね、後で返してください」

「分かった確実に返すからな、安心してくれ!」

証書をもらうなら内容次第でいいかな、ダメならこの辺は黒い大地にしてやる。


お互いが笑っている、これから交渉だ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る