第172話 狸と狐の化かし合い!

街長が用意してくれた部屋で、交渉開始!


「では今回の事をどの様に解決するか決める事にしようかね」

辺境伯の言葉で交渉を始める、まず俺達の事を話すと辺境伯は驚く。


「ドラフラの皇太子がもしかしたら死んでいる!周りの黒装束達も!」

まあ山が無いからさ、かなりの奥まで火の玉が大地を黒焦げにしたから、生きては居ないと思う、ただ死体を見たく無いな!罪悪感が込み上げて来る。


「砦を黒焦げにした火魔法なら、亜人でも人族でも灰になるな!ただあの皇太子がどの亜人の子供かと言う事だ!火に強い亜人ならもしかして生き残っているかも知れん。

街長、兵が少ない所を悪いが冒険者を伴い、あの黒焦げの大地を捜索してくれ、人の遺体、亜人の遺体があるなら、棺に入れて持ってきてくれ」

死体捜索か?絶対に行かない、やった犯人が俺でも、俺には無理!


その時アリーチエが、俺の手を握ってくれる。

「大丈夫です、いつでも私が変わりますから安心してください」

うぅ女騎士なのに優しい、あの王女様とは全然違う。

見つめ合う2人を引き裂く、辺境伯!


「もういいか、話を続けよう!まず外の奴隷達の処遇は未遂という事で、咎めないけど、お主は明確に砦を壊した」

「あんたが人の話を聞かないからだろう! 冷静になって話し合いをしていたなら結果は違っていたのにね!」


辺境伯は考えている。


「では隣の女性が最初に指揮して砦に来た事はどう言い訳する?」

「言った通り、洗脳だから洗脳した皇太子が悪いはず!それに門の中の人にお願いしたけど、偉い人とは会えなかった」

最初にチャント交渉はしている、俺達は悪く無いはず!


「あくまでもこちらの対応が悪くて、この様な結果になったと!」

「それで間違えは無い!」

睨み合う、辺境伯と俺。


「街長、これは遺族への見舞金だ、分けて送ってくれ」

「これ程の金額を分けるのですか? 本来なら大銀貨5枚も渡せば良いはずです」

「多いかも知れんが私の手違いで起こったこと、遺族には良くやっていたと伝えてくれ!」


もしかして、俺の金で見舞金払って、賠償金に変わって俺が悪くなるのか?


「心配するな借用証書は書く、それと砦の修復費用白金貨10枚貸してくれ!合計11枚な」

追加で借りてきたよ辺境伯?


「確かに財政は厳しいが分割で返すから安心してくれ、早急の大金が無いと人は動かんからな、見せ金だ」

見せ金て、言ったけど本当に大丈夫?


「ええい心配顔は止めろ!それよりもこれで和解で良いな!」

「何か決まったの?」

金を貸す事で遺族と砦の件を解決しただけだよね?


「全て不問で、其方にはお帰り願う、ただ外の奴隷達は一緒に連れて行け此処に置いて行かれても困るからな!」

そしてお金と借金の借用証書を交換する、俺は奴隷をどうするか考える。



「砦を建て直すのに、人って要りませんか?」

俺は提案する。


「要らないよ、ほかの私の街にも人はいるからな!」

即答の辺境伯!困ったな、俺には奴隷達を連れて行っても雇えない。


「どうしようアリーチエ?」

「みなさんを連れて国に帰りましょうよ、どうにか成りますって」

「でも身分証が無いと色々と困るよ、国境とか街に入るの」

2人で奴隷の事を話し合っていると、辺境伯が提案して来る。


「1人大銀貨10枚で市民証を発行してやろう、正規の料金だし帝国は素通り出来る。

そしてブロウデス王国にも帝国民なら入れるぞ!」


大銀貨10枚に1000人は・・・白金貨10枚かコイツ図ったな!


「アリーチエ、市民票の発行の値段はおかしく無い?」

「我が国でもその位は取りますね、生まれてすぐでもです」

仕方ない、それで発行してもらおう。


「よろしくお願いします」

俺が頭を下げると。

「それと人頭税、1人銀貨1枚な、来年は他の国だから今年度分だけで良いぞ!」

計算・・・白金貨1枚?!


「では借用証書の交換をしようかね、謎の青年」

やはり辺境伯の方が1枚も2枚も上だった!











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る