第166話 追跡!

距離を保って、行進の跡をついて行く。


(結構あの時追いかけて来た奴らがいるな、用心しないとね)


騎士たちに隠れて、俺を殺そうとした黒装束の格好の奴らが、所々に奴隷達を監視して、馬でついて行ってる。


(夜に取り敢えずは、細工をしておくか!)

俺は、夜まで少し離れてついて行く。


そして夜休憩。

(此処で、夕飯と睡眠かな?)


石で簡易カマドを作って何かを作り始めた。


(よし近づいて少し偵察して、あのマウンテンバイクの付いた馬車は何処かな?)

暗闇を、静かに腰を屈めながら目的の馬車を探る。


(何処だ、それに黒装束の奴らが全くいない? 何処に行ったんだ?)

更に探索すると、大きめのテントが出来ていた、近くには馬車が何台か止まっている。


(もう少し近づかないと素敵探索を発動しても、何も情報が得られないけど)

そして馬車の裏に周りマウンテンバイクを付けた馬車を発見!


素敵探索を発動しながら近づいて行く。

もし誰かいても逃げられない、あまり広い所では効果を発揮出来ないスキルだ!

建物の中なら恐らくはかなり使い勝手が有りそうなんだけどね!


そして馬車の後ろで中を素敵探索する。

(おおっと、副団長がいました!でもこのまま攫ってもあいつらが気がついて追いかけて来るはず、ならばこれだ)


俺はマウンテンバイクのハンドルを握り、魔力を抜く。

(入れられるんなら抜く事も出来るはず!)


そしてスイッチを入れると、何も表示されない。


(魔力を抜いた証拠だね、液晶に何も表示されないよ!)

そしてギヤを1番軽くしておく。

副団長にはギアの事を教えていない、今までアシスト力で普通に乗っていたけど、

今度は軽いギアにしたから、回してもそんなに進まないはず!


(スピードさえ出なければ、ママチャリでもどうにかなるだろう?)


そして俺は闇夜に紛れて、消える事にする。

(今度は戦場で会おうね副団長!)


そして翌日から3日、等々帝国の国境の砦が見える場所に着いた様だ。


「フフフこれで帝国に一泡吹かせて過去の契約を無くしてやる」

皇太子は1番最後尾の馬車の中で、今後の事を思って口に出てしまった。


「ダメですよ皇太子様、思っていても口にしては! 誰が聞いているかわかりませんからね、成功するまでは此処にいない存在なんですから!」

隊長が皇太子に注意をする。


「すまんすまん隊長、それで門の協力者はどうなっている?」

「恐らくは我々が姿を表せば、門が開かれると思います」

「ならその後は門を破壊して当分の間は使えなくしてやろう。その後は我が王に進言して、過去の契約を・・・」

「どうしました?」

言葉が止まり考え事を始めた皇太子に、隊長は聞く。


「いやあ奴らを放っておけば何処まで行くかとな?」

「いや〜、恐らくは次の所で皆殺しでしょう、次の砦はあの者がいますからね!」

隊長は情報を皇太子確認する。


「全く忌々しい、人間の癖に我らと同じ様な能力を持っているとはな!」

「そうですね、我らを進軍する事を止める者!あの辺境伯め」


馬車の2人の会話に亜人と同じ水準能力を持った人族が居ることが分かった。


俺は何処に居るかと言うと、同じ馬車の背後の荷物入れに潜んでいる。


草原広くて隠れる所がないんだもん! しかし腹減ったな。











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