第164話 助かった!

またこれか、知らない天井だ!


あれから、あの洞窟を諦めてママチャリで走っていたら、いきなり道が無くなり、その後の記憶が無くなった。


流石にバリアーでも、意識を持って身構えるのと、突然の事では防御力が違うのかもしれない暗殺も有るし、もっと魔法を磨かないと!


そしてドアが開き、耳の・・・もとい女の獣人さんが入ってきた。


「目が覚めたのですね、体に痛みはありますか?」

俺はいろんな所を触ったが痛みは無かった。


「大丈夫みたいです、俺は何故此処にいるんです?」

「えぇと川の端に流れ着いてました、何処からか川に転落したのですかね?」

川か、バリアーは水には浮かないのかな、検証が必要だ。


「実は夜に走っていて、何処からか落ちたのです、その後の事は覚えてないんですよ」

「ならかなり上流から、こちらに来たのですね」

「上流には、何かあるんですか?」

「王家の避暑地として城があります」

城か、転移の先はそこだな!


「そこは結構距離が有りますか?」

「私たちは行ったことが無いので何とも言えません、外の小山の上にあるんですけどね、あゝ窓から見えるあの山の中です」

俺は窓から外を見る、確かに遠くに小山が見える。


「此処の近くに街はありますか?」

「えぇ川岸に歩いて行けば、街に出ますけど今はやめといた方が良いですよ、近づくと危ないですから!」

「何かあるんですか?」

「貴方は人族ですから、余り情報は言えませんけど、あの街に人族の奴隷が集まっていて、間もなく人族の国に攻撃を仕掛けます」

「戦争ですか?」

女の獣人さんは頷く。


「私達は、王族に意見を言えません、それに人族が奴隷の人族と戦うなら亜人には被害が有りません、近々勇者を召喚して、その方を先頭に攻撃を仕掛ける予定と」

しかし、よく喋る亜人さんだ! あれ勇者て言ってたよね副団長の事。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「どうだ、薬は飲んだか?」

「はい、食事の飲み物に入れて」


「なら俺の寝室に迎えよう」

「またその様な事を、正気に戻っては全ての計画が狂いますので」

「そうだった、まあ良い女だったのでね、自重しよう」

「はいあと2、3日後に街に送ります、その後はそのまま進軍させましょう」


「あゝよろしく、それと陛下は気づいているか?」

「まだまだでしょう、終わって初めて気づくはずです」

「なら彼の方も気づきはしないな?」

「はい、陛下と共に終わってから気づくでしょう」

「可哀想だけど仕方ないか!」


副団長はいつのまにか利用されて戦争に行く事となった。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る