第163話 俺が消えた後!

始まった鬼ごっこ、鬼の方が多いのは反則だよね!


「まあこのママチャリに追いつける物なら追いついてきてみろ!

ハンディは5分で十分だ!」

あのマウンテンバイクなら、この森の中も自由自在だけれど、ママチャリでもどうにかなるだろうよ。


全力でペダルを漕ぐ、おそらくはこの山の中でも2・30kmの速度は出ているはず、ならば街には行かずに何処か隠れる所を探そう!


俺は左の方に行ってみる、何か無いかと思ったら川があった。

よしこんな時は、アイテムBOXから丸太を出して、川を渡ろう。

丸太を置いて次々と出して行く、渡った側から仕舞って次々と出しては仕舞って川を渡る。


「よし対岸、ママチャリ出して出発進行!」

俺は森の中に消えて行く。


「おい、居たか?」

隊長が聞くと隊員が報告。


「足跡が有りません!」

「気配が有りません」

「何かが通った後が有りますが、蛇ですかね? 細いです」

隊員の報告に隊長は。

「どれだ?教えろ」


「隊長の足元ですよ、ほら」

隊員は座って、車輪の跡を指差す。


「これは何だ、かなり細い物だな?」

「えぇ永遠と先に続いています、何の後ですかね?」

「1分隊10名、これを付けていけ、他の者も10人1組で周辺を捜査、見つけ次第殺せ、良いな!」

「「「「「はい」」」」」


10人1組で散った隊員達、いくら探してもマサシを見つける事は出来なかった。


夜の一室。

隊長は上の者に連絡を取る。


「あの者が消えました!」

「そうかご苦労、土の中になハハハ」

報告を受けた上官は嬉しそうに笑っているけど隊長は焦っている。


「その様な事では有りません、森に消えました」

「ならば、魔物の腹の中か?」

笑いを止めて再度訪ねる上官、隊長は細かく報告。


「確かに蛇の通った後は有りましたけど」

「ならばそれで良い、後は殿下に報告をワシがしておく下がれ」

「でも・・・分かりました、また明日」

隊長は部屋を出て行く。


「どうも腑に落ちん、何か嫌な予感がする」

この時に、大人数で捜索すれば川の端の丸太跡を見つけられたのに、やはり下の実動隊の意見は上の上司の文官には理解出来なかった様だ。


そして逃げたマサシは、1つの洞窟を見つけて、寝ぐらとしようとしたが、なぜか魔物がところ構わず飛び出して来る。


「おいおい此処って、ダンジョンかよ!安全じゃ無いじゃん」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「何おう、旦那様が消えただと」

メイド達の報告から騎士団長は慌てて王女様に報告した!

みんなで城の一階に行き、消えた現場を見る。


「此処で消えたのか?」

「はい、朝から新しい自転車の性能試験の為、上と下と往復してました」

そして2人乗りで降りてきた瞬間、転んで危ないと思った時に、2人で消えました」


「おいラインコール、魔法の痕跡が有る、分かるか?」

「はい確かに強制転移の魔法が、あの角の突起に篭ってますね、誰が置いたのでしょうかね?」

推理するラインコール、亜仁が絡まないと優秀だ!


「色々と出入りがあるが、旦那様と消えたのは副団長です! その者を標的にした強制転移魔法と見るのが正しいでしょうね。

ラインコール、王都に連絡してあの家族を捕まえて貰って!」

「はい王女様」

ラインコールは何処かに消えて行く。


「さてお店が消えない限りは、旦那様の命はあるでしょう。

後は何処に飛ばされて行ったか? ラインコールの報告を待ちましょう」


王女様はお店を見ていて動かない。

(何処に逃げたのお兄さん、お腹には・・・)





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