第154話 女性は大変ですね!

何故か声が小さくなる副団長?何かな。


「あの〜着替えも今は有りませんし、月の物も来てまして・・・」

あゝ女性特有のアレね。


「その衛生用品も配ってますよね、団長から至急されていませんか?」

「ええと・・・使い方が分からず使って無いのです。恥ずかしながら人には聞けず、部屋に置いてきてまして、その〜下着の方に少し・・・」


「言いたく無い事は言わなくて良いんですよ、此処で待っていてください」

俺は慌てて店まで走った、今日の分を回収する為だ!


店に入って奥に行く、そして風呂場とトイレで色々と回収して、また外に。

途中にメイド達が見ていたけど無視して城の最上階最奥の部屋に戻る。


トントン、トイレのドアを叩く。

「副団長さん、入りますよ」

ドアを開けようとすると、慌てる声が!


「待ってください、入らないでイヤー」

中では両足の太ももに血がついた副団長さんが、スカートで顔を隠している。

「ごめん、そんな状態だとは思わなかったんだ」

「いえ、脱いでいる私が悪いのです、この辺りを血だらけにして御免なさい」

「それなら脱いだついでに、お風呂に入って下さい、それなら見えませんからね」

まずは体を綺麗にしてもらおう、バケツにお湯はたっぷりとあるからね。


そして湯船に入ってもらって、俺は掃除、そしてまずはボディーソープで体を洗って貰う。


栓を抜いてバケツのお湯で流して貰う、今度は髪だ!

シャンプー、付けて洗って流す、泡立たない!

3回でやっと泡立ち、流した後にコンディショナーを付けて洗い流す。

教えた通りに彼女は自分を綺麗にしていく。


「では着替えを渡しますけど、この衛生用品の使い方は・・・」

知っているけど、教えて良いのか男として! 何故教えておかなかったんだ騎士団長!


仕方なしに、裏面の使い方を参考に指導していく。保険の先生は大変だと思う。


「ではタオルで拭いたら、下着を付けて着替えて下さい、最初の服はこの袋に入れて店に置いておけば、誰かが洗濯してくれますよ」


俺は部屋を出て、ベットの横の椅子に座って、のんびりとコーヒーを飲む。


少しすると、ドアが開き副団長は恥ずかしそうにこちらに歩いて来る。


「良かったですね綺麗になられて」

顔を赤らめて、俯く副団長さん。


「それでは下に行って、洗濯の仕方でも教えますよ!皆さんに覚えて貰って、負担を減らさないとね」

全自動だから干すのに手間が掛かるだけ、洗剤と汚れた物を入れたらスイッチを押すだけだ。


俺が立ち上がるりベットの脇を通り過ぎようとした時に、突然ベットに押し倒される。


「どうしました副団長さん、退けて下さい!下に行きますよ」

「待ってお願いがあります、聞いてください」

「この体制でですか?」

「はい、話を聞いてください、実は私はこの容姿ですけど結構な年齢なんです」

「綺麗で若いですよね」

「□2ですよ」


「聞こえませんでしたけど?」

「ですから22歳なんです!もうこの国では子供の1人2人位の歳です、何故そんな歳までお嫁に行かなかったと言うと、あの親と兄が全て邪魔をして来るんです、男性とのお付き合いを!」


副団長が言うには、婚約は全て親が断り、紹介や道で声をかけられても兄達がガードして、男の人は近くに近づけなかったと言う。


騎士団に入って、男の人達の群れに入れると思ったら、今の騎士団、大公様専属の騎士団に親がねじ込んでしまって現在に至るとなった。


逆に20ハタチを過ぎると誰にも声を掛けられなくなったんだと!


変な父親とシスコン兄達に結婚のチャンスを、潰されてしまったと嘆いていた。



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