第138話 自分を確認!

なんだかんだと待つ事20分ぐらい、時計も窓も無いのは困った。

時間の感覚が分からなくなる。


そしてドアがノックされて、外から声をかけられる。


「お持ちしましたよ、お兄さん、水ですゼーゼー」

かなりの往復量だね、ご苦労様。

俺はドアを開けてバケツの水を受け取る。

「じゃあ、朝には声をかけてくれ!」

言ってバケツを受け取り、ドアと鍵を閉める。

「あゝもう、既成事実を〜」

外でメイドさんが何か言っているけど無視。


(ほら、顔をバケツの水に写してみてよ)

布団に包まったカオリが、蝋燭の火の中水に写った自分を見ている。

(嘘〜、凄い若返った)

揺れる蝋燭で角度をつけながら、顔を確認している。


(後はスタイルよね、少しは胸が膨らんだかな、お兄ちゃんはあっち向いててね!)

俺が、背後を向くと、ゴソゴソ布団の音がする。

(やっぱり無理か!Dは欲しかったのに! どうしてここも増えないの? 分かった年が若返った分、胸も小さくなったんだ)


元々そんなに大きく無いんだから、無駄な希望は寄せよな!


(背後で何か言っているの、お兄ちゃん?)

(何も)


そして粗方、確認したのか、またベットの上に移動するカオリ。


(では、これからの事を相談しましょう!)

(そうだなこのまま此処では生活出来ないからな!)

(流石に此処ではお店出せないよね、洋服と下着欲しかったのに!)

(そうだよね、別にアイテムBOXに入れとけば取り出せたけど、店と倉庫は下に置いて来てしまったし此処にも出せ無いからな、明日確保しておくよ)

(なら当分このままね、なら掃除で誰か来たら何処に隠れるかね?)


うーんベットと机と、奥の扉は何だろう。


近くに寄って開けると、王様が着る様な服と、豪華なドレスが一杯入っていた?


(なぁこれ誰の?)

(それは、今の王の奥さん達の物よ、この部屋だって王専用の寝室だもん、暗殺や誘拐がしにくい、窓なしで、ドアを3つ開けないとベットまで来れない部屋だからね)


王様専用なの、俺は寝てよかったのか?


そしてもう一つの扉を開ける、トイレだった。

(此処から暗殺者来ないの?)

(まあ余程、痩せて無いと無理ね、下まで繋がっているし垂直で狭いもんね。下の溜桝にはスライムが掃除の為にいるわよ)

確かに間口は広いけど、下に行く通路は狭い、此処は現世で10階はある高さ、それにスライムかよ! しかしこれで大は本当に下に流れるのか?


(王が来た時は、バケツで水が置いてあるのよ、それをメイドが流してすぐ掃除するから、まあまあ綺麗よ)

日本の水洗トイレを知っている俺は永遠に使いたく無いな!


(トイレの水はこのバケツの水を流すから問題無いわね、下着と洋服はこのシーツをどうにかしましょう、破損はお兄ちゃんが暴れたことにしてね)


全て俺のせいになるのか理不尽だね。

(後はお腹空いたから、朝食事を自分が食べたら何か持って来てね!よろしく)

(朝までどうするんだ?)

(私はベット、お兄ちゃんはあそこよ!)

応接セットを指刺される。


(普通は反対では無いですかね!)

(生まれ変わった妹の裸を見た罰よ!あそこで仮眠して忘れなさいね!)


ハイハイ、2度生まれ変わっても生意気な妹だ!


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