第137話 カオリ復活!
寝たフリが本当に寝てしまった、起きたのは日が昇る前だろうか?
ならばとベットから降りて忍足で入り口に向かう。
扉に耳を付けて外の気配を探る、外は音もしないから少し扉を開けて外の様子を見る。
通路の真ん中に、椅子に座るメイドが居る。
良く見ると頭が上下に船を漕いでいる。
これならいけるだろう、扉を閉めて鍵を再度掛ける。
ではベットの上にカオリの遺体を出す、死んで直ぐにアイテムBOXに締まったので、そんなに冷たくは無い。
「では、死者蘇生!」
何となく言葉に出して魔法を唱えてみる。
老婆のカオリの体が、光に包まれて消えて行く?
この部屋は防犯の為に、窓のない部屋なので、光が外に漏れる心配は無いけど!
「何で消えるんだ! 魔法の掛け方が違っていたのか?」
次に七色の光が現れて、人の形に成って行く。
そして光が消えて現れたのは、俺の1つ年下の妹の姿だった!
ただし全裸! 目の行き場が困る。
「お腹が膨らまない無〜、息をしているのか? それともまた何かを唱えないといけないのか?」
俺が考えていると、カオリの体が少し動く、やはり生きている。
「うぅ〜」
不味い此処で声を出されると、外のメイドに気づかれてしまう。
俺は素早く、駆け寄り口を手で塞ぐ、その時にカオリは目を開き俺を見て来る。
「おびにちゃん」
お前は何を言っている妹よ、手で口を塞いだのは俺か!
そして俺は口に人差し指を持って来て、声を出さないジェスチャーをする。
カオリが頷いたので、手を離すと。
「お兄ちゃん」
また慌ててカオリの口を手で塞ぐ俺、その時に外で椅子の倒れる音がする。
「マサシ様、今女の人の声がしましたけど?」
ドア越しに質問をして来るメイドさん。
「いや何も無いよ、ちょっと寝起きちゃったから声が出たんだ、モノマネモノマネだよ、王女様の声に聞こえたかな!」
「まあよくわかりませんが、目が覚めたのなら夜伽でもしましょうか?」
「いやいい、朝には起こしてくれればいいからね、またお休み!」
そして俺は振り返ると、カオリは布団をかぶってこちらを睨んでいる。
仕方無しにドアから動かないと、カオリに手招きされる。
(聞くけど、何で裸なの?)
(分からん魔法の効果で服ごと消えて、現れたら全裸だった!)
俺は事実を述べた。
(それと鏡ある?)
(初めてこの部屋に泊まったんだ、何が有るのかもわからないよ)
(何か肌がピチピチなのよ、老婆・・・髪が黒い何で?)
そこに気づいたか!何か顔だけでも映らないかな。
仕方ないので、外のメイドに声をかける。
ドアを開けて顔だけ出してお話し。
「ネエネエ、喉が渇いたので水をくれる!それもバケツに一杯ね」
「それほど喉が渇いたんですか?」
「早々ここまで来るのに、喉が渇いたみたい、5階だしね!」
「分かりました、至急お持ちしますけど、下に行って上がって来るので多少時間がかかりますけど、お待ち下さい」
メイドは下に行くけど、何故かドアが開いたところで騎士さんと話をしている。
今度は騎士さんがこちらに来る。
「今メイドが、水をお持ちします!しばらくお待ちください。それとこのドアの前で警備をしますのでよろしくお願いします!」
「はいお願いします」
俺は騎士さんに言ってドアを閉める。
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