第113話 メイドの中身!

商品を受け取り、トボトボと背後に下がる2人。

お可哀想に、悪魔の王女様と取引したからそうなるんだよ。


「えぇと冒険者ギルドの2人はどうなりますか?」

伯爵が聞いてくる。


「これもお咎め無しですよ伯爵、責任はサブマスが取りますからご安心ください」

またこの王女様、俺抜きで決めたな!


冒険者ギルドのギルマスが、伯爵の下に戻り控える。


「それでは、我々は王女様の領地まで一緒に向かって宜しいですね!」

「先程も話した通り、これは大公様を生まれ故郷に連れて行って埋葬する列です、王都より命令が有るまでは、皆さん自領に居てください」

王女様はやんわりと、伯爵に戻る様に告げる。


「それでは、領主の娘とサブマスはどういたしますか?」

伯爵は続けて聞いてくる、また王女様は俺に聞かず勝手に決めてしまう。


「領主の娘は、自分で罰を受けたいと申したので、同行させてお兄さんのメイドで使えさせる、サブマスも同じくだ、両方共返事をもらってある!まぁその内に領地には返すので安心して下さい! それで全ての話はお終いにしましょう」

王女は微笑み伯爵は頷く。


「なら今晩は、ご一緒させてもらい、明日別れるとしましょう王女様」

「はいよろしいですよ、領主さんも親子の話があるでしょうにね」


その後は、メイド達が俺の店に来て料理を始める。

どう見ても若い方が料理の知識がある様だ、年配者をこき使っている。


「ほら、煮出しすぎよ」

「はい先輩」

「温度は確認してる、あんまり油の温度を上げないのよ」

「はい気をつけます、アツ」

跳ねた油が顔に飛んだ様だ、オデコを撫でている。


「氷で冷やしなさい、昔の知恵だけどね」

今も変わらないけどね。


「ほら、蕎麦もウドンも水じめよ、すぐやる!」

「あ、はいアツ」

「水を出しながらやるの、熱いに決まっているじゃ無い!」

見事年配者が怒られている。


「なあ、これ立場反対じゃ無いの?」

「お兄さんには、前に言いませんでした、年下のが前世で主婦やっていて、年配者はまだ小学生や中学生です、この世界は年齢が上ですけど、メイドは料理をしませんから、前世の記憶がある年下のが生活力は有るんです」


「アベコベの中身なんだ、残りの20歳前後の人はどうなの?」

「彼女達は年相応ですよ、王女様や騎士団団長達と同じです」

俺の質問にラインユールが答えてくれた。


若い癖に色々と知っているから不思議だったけど、やっと理解できた。

そして俺と年が変わらない女の人は年齢が同じで、40年前後生きているんだ、みんな先輩なんだよね!


そして夕飯を食べて、女性陣はみんなお風呂に入る、そして狭いお好み焼き屋の部分でみんな寝ている。


俺は居所が無くて、外のテーブルに行き夜空を眺めている。


異世界で会った妹、僅かな時間だったけど話が出来て良かったよ。

俺が死んだ後のあちらの世界も分かったし!


そしてスキルを見る。

絶対にこのスキルは、アイツの為に授かったんだろうな!







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