第103話 分岐点!
馬車は走る、この先は道の分岐点だと説明を受ける。
「さてお兄さんはどちらの方向に進みたいですか?」
ラシーヌが聞いてくる。
「どちらの方向って?」
ソリアナが地図を広げてくれる。
「あまり詳しくは書いてありませんけど、お祖母様の政策で私達が行く領都までは2つの道があります」
ラシーヌの説明で地図を見ると平凡な絵地図。
ラインコールが海周りか平地周りの道を指差す、それも平地周りは2度3度と指をなぞって来る。
(コイツはルモンデ方面を強引に押し進めようとしているな!ならば、と)
「こちらの海が見たいので海周りを希望しようかな」
チラリとラインコールを見ると、焦りの顔が見える。
「お兄さん、海は領土にも有りますのでいくらでも見れます。
それよりも平地周りの方が馬達の負担も減りますので、騎士団としては平地周りをお願いしたいです」
ソリアナが騎士団として馬の負担を減らしたい様だ、あの男は微笑んでいる。
「でも峠から見える景色も良いぞ、となりのルーセンとの領土境の峠から見る海はこの世界でも見応えがあるがな」
ラシーヌが言うと、あの男の顔がくずれていく。
「まあ、この馬車で行くなら、平地の方が負担は減りますよ」
メリーシュエの言葉にあの男は笑顔に戻る。
「ならお兄さん、平地周りのルートで良いか」
ラインコールを見ると笑顔で頷いている、まあ君の願い道理にはルモンデには届かないと思うけどね。
「ならお尻も痛いので平地周りでお願いします」
あの男は天にも昇る顔をしている。
窓を開けて、ソリアナが並走している副団長に指示を出す。
「ソフィリア方面に進んでくれ!」
「はい、みんなソフィリアから領地に行くよ」
「「「「「オー」」」」」
元気な合図あり、馬は進んでいく。
2日後、大きな平地に出た。
「此処が4つの領地が交差する場所です、真っ直ぐ行けばソフィリア、左に行けばウァルナ、そして右を行けばプレウェル経由で私達の領土トリブロにいけます、少し行けば各領地の関所ですからね」
ソリアナが説明してくれた。
俺は地図も無しにママチャリで案内板だけで、良くも王都に行けたもんだね!
最初にあった言語理解のスキルありがとう!
「よし此処で一晩休むか、まだまだ先は長いからね」
昼を越したところだけど、ラシーヌの判断で此処で休むらしい。
「ならば店を出して、休息所を作るよ」
なんだかんだと毎晩安全の為に店を出している、そして店の物で夕飯と朝食を作って翌日出発、そんな工程だけど店の残り物を倉庫に移すのを手伝ってもらう時に、あの若いメイド達に酒の種類が分かってしまった。
「やっぱりこんなに種類あるじゃ無い!」
「これは侍女長に抗議よ!」
「そう、領法変更して貰うのよ!」
「「「「賛成」」」」
そして抗議したけど王女の一声で却下されてしまう。
そして年配のメイド達は。
「アイスクリームのが美味しいのに」
「クリーム餡蜜も最高」
「プリンを作るとアイスの卵が・・・どっちを取れば?」
「今はアイスクリームで冬はプリンでどうですか?」
「それはいい考えね、それで行きましょう!」
「「「「「オー」」」」」
この提案も、卵料理を作るので却下される。
まあ個数を増やせばいいんだけど、コンセントに余裕が無いのでビールを増やした裏技が使えなかった。
その内何処かで鶏を見つけて増やすしか道は無いだろう。
そして夕方、他の旅人も俺達の周りで休息し始める。
騎士団の側なら安心安全なので、少し離れた所で火を焚いている。
そして護衛騎士付きの数台の馬車が側に止まる。
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