第101話 馬車は嫌い!
ガタゴトと馬車は道を走って行く、メイド達も乗った馬車も入れると長い列だ。
周りを騎士団が護衛をしていて安全安心。
それでも道は悪路、石や窪みで馬車は跳ねる、お尻が痛い。
「このケツの痛さどうにかなりませんか?」
「慣れれば良い」
ラシーヌが言うと残りの2人も頷く。
(コイツらケツの肉が岩で出来ているんじゃ無いのか!)
そんな呟きを、馬車の中の騒音位では消して貰えず、また3人が立ち上がる。
「いて」
「痛い」
「もう中は嫌」
3人が睨んで前に来る、圧迫面接かよ。
「ほら確かめなさいよ!」
ラシーヌが尻を突き出す。
「早々触りなさい、岩かどうか!」
メリーシュエもだ。
「私は鍛えてあるから平気なんだ、消して岩では無い!」
ソリアナは胸を張っている、しりは来ないんですか?
やはり聞こえていたらしい、弁解の言葉は「ごめんね」と言っておく。
「ごめんで済めば警察は要らないんだよお兄さん!」
やはり元日本人、その言葉は知っている様だ。
「そうよ、まず触って確かめなさい!」
更に尻を出してくるメリーシュエ。
「早々触って確かめないとね、ウンウン」
今度は尻を出してくるソリアナ!
「お兄さん触ったらアウトです、既成事実により結婚ですから」
此処で助け舟の、執事長のラインコールから有難い言葉を頂く。
「コラ忠告するな!」
イヤイヤ王女様の貞操は守るでしょう。
「触られたら勝ちなのに!」
それは貴女だけの理屈ですよ。
「私はいつでも全てOKです」
何故ソリアナはいつも積極的なんだ?
「ともかく御免なさい、それ以上の謝罪の方法は知らないのでご勘弁を」
納得はいかないけど3人は席に腰を下ろす。
その時外から窓がノックされる、外を走る副団長だ。
ラインコールが、席を立ち小窓を開ける。
「どうしました?」
「そろそろ休憩をお願いしようと」
「そうですね、お昼も兼ねて休みますか、良い場所が有れば止まってください」
小窓が閉められ、少し移動した辺りで馬車は止まる。
ドアが空いて、ラインコールが出ていって安全確認をした後、俺達は馬車を出て行く。
「この辺は見事に草もないけど、休息場所なの?」
「えぇ恐らくは旅人達の日頃から使っている場所ですね、魔物の出現が少ない所だと思います」
ラインコールが説明してくれた!
「そんな場所あるんだね俺の魔力水撒いたら完璧だけど」
「生態系破壊反対よ、それを撒いて効果が無くなってもっと魔物がでたらどうするんですか?」
「そうよ、盗賊はいるんだから警戒は大切です」
「我ら騎士団を襲っては来ないだろうけど、2・3人の旅人では危険だろう」
生態系破壊って大それた事しませんよ、でも言われてみればそうかもね!
「ともかくお兄さんは、変な事をしないで下さい」
「今お湯を沸かしています、もう少しお待ちください」
「お茶か、なら昼だから何か振る舞おうか?」
「簡単な物ですよ、すぐ出て行きますからね」
「店を出して良い、中に取りに行かないと!」
「全く不便なアイテムBOXですね、品物を思い描いて取り出せないんですか?」
ラシーヌの言葉に、試しで商品を思いながら考える。
「うん出て来ないね、やはり店から商品だけを出す事は出来ないみたいだよ」
「仕方ないですね、許可しますけど何が食べられます?」
「そうだね、ドーナツで良い、砂糖をまぶしただけだけどね」
みんなの表情が変わる。
「はい賛成、反対は・・・いないのでお店を出して下さい」
ラシーヌの許可で俺は店を出す。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます