第99話 妹の2度目の死!



「もう時間がありませんから、これだけはして下さい! わたしの息が止まって死亡を確認したら、お兄ちゃんのアイテムBOXに遺体を隠してください。その後にいつ生き返るか分かりませんが、お兄ちゃんの寿命が来る前に私は生き返るはずです、方法は分かりませんがね」

妹は俺を見る、何やら先は見えているみたいだ。


「見えてませんよ」

読心術が出来るのか妹よ。


「フフフ、自身の死んだ先は見えませんよ、ましてや復活するなんてね。

まあ賭けですよ賭け!お兄ちゃんなら妹の死体に悪い事はしないでしょうから、そんなのは机の引き出しの裏にはありませんでしたからね安心です。ろりろりでハーレムのお話は一杯隠してましたけど、日本は一夫一妻制だから、此処の世界に来てやっと念願が叶えられて嬉しいですか?」


お前は俺の秘密を何処まで知っているんだ?


「何故机の引き出しの裏がバレるんだ! 普通はベットの下を探って終わりだろうよ」

何の為にベットの下に、ダミーのボンキュ熟女の物を置いていたと思っているんだ!


「だってお兄ちゃんが店にいない時に、お好み焼きを食べに来たおばちゃん達と話してたら、そんな裏技で隠している息子が居たと話に聞いたの、でね、お母さんと探ってみました。

あゝ押入れの天井も知ってますよ、そちらは流石に私とお母さんも引きましたけど、縄とか鞭とかが出て来るやつね! お葬式の後に完璧にお母さんと処分しといたからね」


俺の青春が〜。そして無駄なダミー達。


「さてそろそろ終わりです。また3度目の人生で会いましょう」

そう言って寝た妹は目を閉じた。


「なあ死んで無いよな?」

「息はしてないです」

ラシーヌは手首を握る。

「脈ありませんよ、ご臨終です」

あれ今まで話していたのに、何故? 俺も手首を握る、確かに脈は無い!


「おかしいだろう、今さっきまで話していたんだよ、会ってまだ1週間も立って無いのに、なんでなんだ!」

ラシーヌは今度は瞳孔も見ている。


「今ご臨終です、速やかに遺体をアイテムBOXに入れて隠してください」

「何故お前が決めるんだ!」

「私は高校卒業後に、看護学校に一年間居ました、その後進級前に事故で死に、この世界に転生したんです。

過去の日本にいた事を思い出せば、その位の判断は出来ますよ! いいからアイテムBOXに遺体をしまって、王宮を出ますよ!」

王女様の強い口調に、俺はカオリの遺体をアイテムBOXにしまって、部屋の外に出る。


外にはラインコールとメルーシュエとソリアナがいた。

みんな真剣な顔だけれど、目元には涙が。


「悲しむ暇はありませんよ! では計画通りに領地に向かいます、では馬車まで」

そして王城の裏から馬車がある所まで走り出す。


馬車の周りにいたメイド達と第三騎士団の女性騎士達と共に、まだ見ぬ領地を目指す!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る