第98話 俺があちらで爆発した後!
妹は真剣な顔で俺を見る。そしてこう言って来た。
「私の2度目の命ももうすぐ終わります、この世界でお兄ちゃんに会えたことを大変喜んでいます、あの時に家に帰って自分の家が2階しか残っていなかった事、そして残された携帯電話・・・まさか140年の時を過ぎてこの世界で会えるとは思っても見ませんでしたよ」
俺も思ったよ、この世界で姿形は違えど妹に会えるなんてな。
「お兄ちゃんには、あの後の事をお知らせしときます、仇は討ったので安心してこの世界で生きて行って下さいね」
仇?なんの事だ?
「聞くけど仇って何の事なの? 俺には皆目見当が無いんですけど」
「だからお店の一階が無くなって、お兄ちゃんが死んだ事よ、まあこの世界に転移したのは何日か前に知った事だけどね」
「俺が死んだ事?」
「そうよ、大型店舗の進出の犠牲で死んだお好み焼き屋35代目の話よ!」
「俺はまだ店を継いで無いけど、親父の34代目は知っているけどね?それにお好み焼き屋35代目ね!」
いつの間に乾物屋がお好み焼き屋になったんだ?
「お好み焼き屋に来る、周りのオバチャン達が何時も言っていたでしょう、若い35代目のいるお好み焼き屋は憩いのパラダイスだってね!」
本当だいつの間にかお好み焼き屋になっている、しかし。
「おかしいな、俺がお好み焼きのテーブルを点検する時に、火を着けたら爆発したんだぞ、大型店舗の事は何も知らないし?」
「ええだって携帯が落ちていて誘拐されて殺されて死体もない、店舗を爆発されたんじゃ無いの?」
此処に俺がいるから死体は無いんだな、携帯はその辺に置いてあったのが、爆風で外に飛んでいったのかな!
「俺の記憶は自分でガスに火を着けて爆発だな、そう言えば少しガス臭かったね!」
唖然とする妹!
「私はどう怒れば良いのよ、兄の敵討ちで大学を辞めて証券会社に入って知識と資金を借りて、あの親会社を乗っ取ってさ! あの時の経営者一族を会社から追放して世界有数の食品会社にしたのは・・・此処にいるおバカな兄の間抜けな行動だったの!」
布団に伏せる妹、でもそこまでディスって言う事無いじゃ無いの!
「それならば、同じ頃に転生させてよ」
「80歳のお婆さんでは分からないと思うぞ今も60歳の西洋人だしね」
妹は睨んで来る、そしてラシーヌを見る。
「ラシーヌちゃん、こんな薄情なお兄ちゃんと結婚する事は無し!1人で領地に向かってね」
「大公様それですと、遺体の隠匿が出来ませんよ、お兄さんも計画の一部です」
妹はしばし考える。
「仕方ないか?計画を教えて、速やかにみんなで王都を脱出しないとね、ではお兄ちゃん前世の事は少し忘れましょうね、これから言う事を実行して下さい」
何やら込み入った話みたいだ。
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