第97話 朝食のリクエスト!
翌日は目覚めたら、城からの伝令で外のガラス戸をメイドさんが叩いていた。
「もう中々起きないからガラス戸を割って入ろうと思いましたよ! 大公様からリクエストです、朝食を作って本人が持って来てくださいとの事です。さぁ作りましょう」
カオリが朝食を食べたいのは分かるけど、何故俺が持って行くんだ?それにメイドさん達がお手伝いってね」
此処にいるのは若いメイド達、どう見ても朝食を作れる経験はないはずだが?
見ていると材料を見て、見事な朝食を作っていく。
「此処は良いですね和食を作る環境が有ります」
「まあ瓶詰め缶詰も使い方で美味しい出来上がりを期待できます」
「調味料も量は少ないですけど、我々が食べる分は確保できそうね」
「お米が余り無いから、ウドンや蕎麦、それと小麦粉もイーストもあるからパンも焼けるわね」
「このオーブンでは数を焼くには少し小さいですけど?」
「外に石窯作ってそこで焼けばどうにかなるわよ!」
「なら領地に行ったら作って貰いましょう」
「それにはお兄さんを連れて行かないと」
「私達の魅力で連れて行きましょう」
何故か俺を色っぽい目で見て来るメイドさん達、
「今襲ったら怒られるわよね」
「順番は決まってますからね、特にあの2人を怒らせたらどの様な事になるか!」
「大体ラシーヌ様がキチンとしないのが行けないのよ」
「早々優柔不断なんだから」
何で此処で蘭ちゃんが出て来る。
「その話は後でよ、盛り付けてお兄さんに持って行って貰いましょう」
「「「「はーい」」」」
出来た物を皿に盛り付けるメイド達。
「はいお兄さん、持って行きますよ大公様の部屋にね」
俺は手を引かれて外に引っ張り出される、持っていくのは結局メイドさん達かい!
そしてお城の一画、豪華な飾りが天井から下がっている廊下を通るとまた扉が豪華な装飾で出来たドアの前に行かされる、そこからは俺が料理を持つ様だ。
そして扉が開かれて、地球で見た西洋の城の中の光景が目に飛び込んで来る。
「お兄様が朝食をお持ちしました、入ります」
そして扉を二つ抜けた奥にベッドで妹が上半身だけを起こして笑顔で待っていた。
その横には蘭ちゃんと響子ちゃん。
「和の朝定食、それもベッドの上よ、お姫様になった気分ね」
「大公様ですけど今更お姫様ですか?」
「全く蘭ちゃんは硬すぎよ、今の気分を表現しただけなのにね、それでこれは貴女達の総力で作った物ね」
「はいお兄様に手伝って頂き、協力をして作りました」
ほとんどメイド達が作った物だろうに、痛っ。
足を踏まれる俺、微笑むメイドさん達!何も言いませんよ。
「分かっているわよ、料理好きな貴女達がただ黙ってお兄ちゃんの協力をしているはず無いもんね、では頂きます」
そう言って食事を始める妹、美味しそうな顔だ。
そして全て食べ終わり、箸を置いて一言。
「手が止まらなかったわよ」
メイド達に微笑み、食器を下げさせる。
「では手筈通りに、ラシーヌちゃん以外はドアの外で待機していてね、お兄ちゃんを含めた3人でお話をするから」
そして部屋に残ったのは3人だった。
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