第92話 妹とお話し!

髪も乾かし、身支度を整えた2人が食堂に来る。 


「朝風呂最高、そして朝食も和定食何て! 旅館に泊まった気分ね」

「そうですけど、此処は大公様の実家ですよ、怠けて離婚された出戻りさんが言う言葉ですよね」

「言うわね蘭ちゃん、私は一度も離婚された事は有りませんよ、貴女こそ結婚を一回もしてないくせに!」

「してないんじゃない! タイミングがなかっただけよ、前世はまだ18歳だったんだから」

大姑と若嫁の口喧嘩は良いから飯を食え!


「2人とも良いから、冷める前に食べてくれ、片付けが出来ないんだ」

「ごめんねお兄ちゃん」

「賄いさん、すいません」

「俺は賄いさんじゃない!」


そして2人は食べ終わり、少し休憩。


「さてやっとお兄ちゃんと喋れるね、それと此処の検証もしないと」

「検証ってなんなの? 此処はお前も知っている乾物屋だよ、特別な物は何も無い」


「外水道の魔力水は、どう説明するの?」

「それは俺にも分からないよ、説明は出来ない、それに外水道だけでなく、中の台所もお風呂トイレだって魔力水が出て来てるんだぞ」

妹は考える。


「この乾物屋自体が、魔力水を製造する装置になっているのね!」

「そんな事あるかよ、昔から同じ建物だって言っていたぞ親父は」


「ならば、もののけの類かも?数100年の時を跨ぎこの世界にやって来た地球の建物、人が来て容姿や年齢を変わる様に、建物にも変化があったのかもね」

そんな物があるるもんかよ、ラノベ読みすぎだよ。


「ならば、人もそうだけど昔の遺跡とかを見つけたら、もしかして地球の物があるかもよ、この世界の人が使えなくて、放って置いた物とかね!アンテークの魔道具と言われるものには有りそうよね」


「確かにそれは浪漫だけれども、そもそもそんな物があるのかよ?」

「無いとは言えないのよ、たまにダンジョンで拾ってくる物を、人伝にお金持ちに売りに来るの、その中にこの世界では作れない物があるのよビックリね!」


妹は見たことが有る口ぶりだ。


「そのほとんどを私が買って、領地に送ってあるのよ!老後に研究しようと思ってね」

お前が買っているんかい!


「本当に何点かあるのか?」

「ええ私は見て分かる物だもの、お兄ちゃんもきっと驚くわよ」

よし段々と冒険の目的ができて来た、乾物屋が動かせないと思った時は、細々と峠の東屋で商売をしていけば良いと思ったけど、今はアイテムBOXで動かせるから移動はお手のもの、ママチャリもあるしね!


「どうしたの、顔が悪巧みの顔よ、はい笑いなさい」

「こうか?」

笑顔を作ると。


「やはり危ない犯罪者の顔よ大公様」

「蘭ちゃんの言ってた事わかる様な気がする、身内で無いと耐えられないかも」

どんな顔なんだ、鏡をよこせ〜。


「顔戻して、それでねお兄ちゃんと蘭ちゃんには、領地に戻ってそれの回収と研究をお願いしたいの、もしかしたら地球に帰れるかもしれないからね。

寿命で死んだ人以外は、不幸な事故や事件で亡くなったから、地球に未練があるはずよ! もし戻れるならもお一度帰ってもらおうかなってね」


「容姿はどうなる、日本人が西洋人だぞ無理じゃない?」

「そこなのよ! 執事長のラインユールはフランスで、元々西洋人だから容姿は変わって無い様なの、ただお兄ちゃんはそのままの格好なのよね、私の記憶でも違いは無いのよ、唯一のイレギュラーなのよ、もし地球に戻ったら容姿も戻るかもと期待はしてるんだけどね」


確かに俺は転移だよな、みんなみたいに幼い頃の記憶は地球だけだからな!











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