第80話 4人目の日本人!

侍女長さんがメモを取り始める。


「侍女長、今回はメモを書かないで下さい、内輪の話なのでね」

「ええと、外に報告はしないのですか?」

侍女長は不思議そうな顔で、妹に聞いてくる。


「そう、此処では日本語で話すから、言語変換を日本語にしてください、お兄ちゃんもね」

言語変換を日本語ってどうやるんだ?


「何か分からないお兄ちゃん」

「ええと普通に聞こえるけどね、どうやれば日本語になるだ?」

「気持ちよ気持ち、日本語で喋ると思えば喋れるからね、此処の3人は日本人だからね」


王女に侍女長も日本人なの?

「王女はラシーヌでランちゃんね。侍女長はメルーシュエ日本ではめぐみちゃんね」

2人を改めて紹介する妹。


「言って良いのカオリさん?」

「私達の事を知っているんですか?」

王女様は再確認、侍女長は戸惑っている。


「だから私のお兄ちゃんだって言っているでしょう、心配しないのよこの先に一緒に暮らすんだから」

「私は東京のオタクとは暮らせませんよ」

「前から言っているでしょう、運命なのよ蘭ちゃん」

「運命何て認めない、コイツを追い出す!」

今度は俺を睨んでくる王女様。


「もう時間が無いのよ、分かってほしいの」

「認めないたら認めないわよ! コイツをもう一度地球に返せば良いんだ!」

「ともかく落ち着きなさいラン!」

めぐみさんは王女様を諭す。


「めぐみさんも味方するの!なら私は出て行く、それなら運命を変えられるはず」

言うと席を立ち、ドアを開けて外に行ってしまった。


「仕方ないわね、後でもお一度説得しましょう」

「ハイ何時もの熱血格闘オタクですからね、少しすれば熱も冷めるでしょう」

アイツもなんだかんだと、オタクなんだね。


「まずは紹介するね、コチラは恵さんよ、日本では25歳で死んで転生して、コチラで40年生きているは、人生60年の喪女よ」

「違いますカオリさん、38年です!合計は60年越してますけどね」

少し怒っているめぐみさん、女性の年齢は間違えては行けない。


「それで、コチラは私の地球での兄で名前はマサシよ」

「もしかして神託の方ですか?」

ジーと俺を見るめぐみさん。


「恐らくね、だって会ったら体が楽になったのよ、最後位は全ての重圧から解き放ってくれる神に感謝しないとね」


「だから蘭ちゃんは怒っているんですか、本当は心配でいるはずなのに、感情の表現の下手な子ですね」

「そうなの、兄に会ってからずっと攻撃的だからね、まあ急に婚約者よ結婚しろと15年前からは言っていたけど、現実になれば焦るわよね」

婚約者?結婚てなんだ?


「それでは私も参加してよろしいので?」

「貴女もこの世界に来て40年「38年です訂正して下さい」

カオリの言葉を遮り、女性のプライドを優先する侍女長さん。


「もう細かいのね、四捨五入すれば同じじゃないの」

「女性に一歳上がるのは大変な事ですから! 合計140歳超えている方には、もう感覚はないと思いますが!」

何故か年の事で睨み合いが始まった。


「ともかく、オタクハーレム野郎で良ければ一緒に嫁げば良いのよ、全く蘭には困ったものね」


「ええとマサシさま、不束者ですがよろしくお願いします、それと前世も併せて男性経験がありませんのでリードもよろしくお願いします」

床に座って三つ指ついて挨拶してくる侍女長さん?


「それは無理ねアニオタだもん、喪女さんと良い勝負ねプププ」


カオリは笑うけど、何で嫁が出来る話になるんだ?




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