第81話 襲われた!

バーン、突然ドアが開き王女様が槍を持って入ってくる。

周りにはメイド達が、止めようとしている。


「貴方はもう一度死んで、地球に戻りなさいよ」

メイド達が止めるのも聞かず槍を刺してくる。


バン、槍が俺に弾かれて横にそれると王女も転がる。

「へっ」

「ほえ〜」

妹と侍女長が変な声を上げる。


「何、もお一度よ!エイ」

俺に向かってまた槍を突いてくる王女!それも俺には触れず、また槍を持って転がる、メイド達が危うく避けて可哀想だ。


「もう辞めておいたら!」

俺は止めようとしたけど、王女様は益々HEAT-UP!


「くそ〜早く地球に戻れ、大公様は殺させない!」

無理だからと思ったら、王女の言葉を聞いたメイドが笛を吹く「ピー」


「賊よ賊」

「大公様が危ないです、集合集合!」

外から人の足音が増えて来たよ、どうするんだ?


「侍女長、止めなさい!」

妹の言葉に、侍女長は立ち上がり深呼吸すると大声で喋り出す!

「やめい!」

その声でビックリした王女様は、槍を床に落とす。


「全員待機、元の場所に戻りなさい、賊は間違いですから!」

そして笛を吹いたメイドに。

「い〜い、よく状況を読んで笛を吹く様にね、私が側に居て大公様には、傷一つ付けさせませんよ」


侍女長がメイドにニッコリ微笑むとメイドは。

「すいません、まだ私には笛係が早かったみたいです」

「良いのよ、頑張んなさい、それと王女様の持っていた槍を返して来なさい、騎士団が困りますからね」

槍を拾ったメイドは、他のメイドと一緒に出て行った。


「全く、貴女は何を考えているの?」

侍女長の声で、腰を抜かした王女は泣きそう。


「だってだってカオリさんの命が・・・わー〜ん」

王女は本当に泣いてしまった。


「い〜い、昔から言っているけど私は貴女達よりも高齢なの、先逝く私は貴女達の事が心配なのよ!

同じ日本人として何も知らないで、奴隷の様な扱いにはなってほしく無い!

その解決方法は、私のスキルでどうにかなるかも知れないと思って此処まで来たのよ。

貴女には突然の事だけど、貴女達を守れる最善の方法なのよこの事は」


「でもコイツが戻れば、神託は無くなるはずよ!」

「フフフ、もう体がね軽いのよ、全ての重圧が抜けてね、最初にこの世界に来た時みたいにね、神託を信じさせるたびに、成功した事が呪いとなってこの身に注ぐ、それはこの地位を得る為には仕方のない事だった。

もし私が死んで、貴女達のスキルが世間に分かったら、誰かに利用されて戦いに参加させられるわよ! そして成功しても知らない男と結婚させられる。

そんな事は現代を生きて来た貴女達には、耐えられないはずだよね!

それなら私の信用する者を紹介した方が、良いと思ったわよ。

最後にやっと当たりを引いたわね」

妹は喋り切ると疲れた様にソファーに腰を下ろす。


「そんな事を言わないで下さい、まだ戻る道があるはずです」

王女様様は泣き止み、今度は妹に抗議する。


「もう時間が無いのよ、だから聞き分けて話を聞いてね、蘭ちゃん」

「カオリさん私・・・」

床に座った王女様は下を向いて考えている。


もう一度悪い方に向かわないでくれよと、俺は思う!


「もお一度お茶を入れ替えます、その後に話を再開しましょうか?」

侍女長さんは、提案してくるが。


「もお良いわよ、蘭ちゃんも突然で大変みたいだから、寝て明日もう一度話しましょう、

お兄ちゃん、この部屋を使って良いから明日会いましょうね、さあ欄ちゃん行くわよ」

2人は出て行った、何故か侍女長は残っている?


「あの〜、出口は彼方ですよ!侍女長さん」

「何を言っているんですか、先程三つ指ついて挨拶したでしょうよろしくって!

もお一度言わしたいんですか!もしかして放置とかで羞恥心を全開で折ってくるプレイをお好みなのですね、このアニオタは!初めてと言ったのに」ワナワナ!


何を言っているんだこの人は!


とりあえずは押して入り口から退場して貰った。


そしてまた明日よく話し合いをしよう!











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