第77話 日本人3人目?

何かを考える妹!


「色々とツッコミたいけど、ならビールを頂戴ね」

「隣のお嬢様は何にします?」

「私は王女なんですけど! まあいいわよ私も同じものを下さい」

2人ともビールねと、若い方は王女様なのね!


そんな事を思いながら店の奥に行く。


「あらラシーヌちゃんは確か飲んだ事はないはずよね?」

「何を言っているんですか、此処では飲めるんです」

「味を知らないでしょう?」

「フフフ、18歳は成人で投票権も有るんです」

「でもお酒は20歳からよね!」

「関西は15から飲めるの、この世界と同じなんです」

俺の知らない所で、不思議な会話がされている。


※作者注※日本の法律はあくまでお酒は20歳からです※


俺はビールを2本とあたり目にパンを何種類か持って行ってあげる。

「それじゃあ注ぐね、ハイ紙コップ」

紙コップの存在に驚く2人。


「ええ紙コップて、何処の国で買ったの?」

「日本だ、はい注ぐからね」

2人の紙コップにビールを注ぐ、綺麗な泡立ち。


「それじゃあ乾杯」

俺がコップを持った手を挙げるけど、何故か2人はコップを見ている。


「如何した、乾杯しようよ暖かくなってしまうよ?」

「待ってよ何で冷たいビールが出てくるの?」

「冷蔵庫があるからだよ!当たり前だろう?」

俺の答えに。


「そんな何処の世界よ!」

王女様が叫んでツッコミ!俺は冷静に答える。

「日本製だよ、業務用のガラスで囲われた奴な!」


「いやその世界じゃ無くて、何故冷蔵庫がこの世界にあるのよ!」

再度王女様が聞いてくる。


「決まってるだろう、日本にあったこの店の物は全部ある!」

俺の答えに、2人は見合わせて、ともかくビールを飲む。

「美味い!」

「そうこの味よ、日本のビールだ〜!この世界のビールはもう飲めなくなるわ〜」

笑顔の2人には高評価だ。


「よしお兄ちゃん、追加でドンドン持ってきて、お金は払うけどいくらなの?」

「大体日本の10倍だな、最初の国で決めた」

妹は考える。


「ラシーヌちゃん、妥当かしらね私は安いと思うけど?」

「味を言ったら10倍で妥当でしょう、ただ希少価値が有りますから安いと思いますね」

値段は合っているんだ、希少価値ね?確かに数は少ない。


「この紙コップだって、そうよこの紙コップだってお金を貰わないと!」

「片付けは如何するんでしょう、燃やすんですかね?」

普通紙コップって、無料じゃないの? 


ゴミの処分も事業用は金がかかるけど、俺の家のゴミ箱は特殊だからな?

「いらないビニールとかは、ゴミ箱に入れると消えるぞ、それよりもパンも食べてくれよ俺の手作りだ、美味しいぞ」


「ビールには合わないけど、悪酔いしない様に食べておきましょう」

「はいお祖母様」

「そうだな、こっちがアンパンでこの形が違うのがジャムパンだ」


パンを持った2人の手が止まる。

「何で餡子があるのよ!」

「ジャムってイチゴジャムなの?」

「何でてカオリさ、ウチのお店は乾物屋だよ! 小豆あずきは有るぞ砂糖もな」

「イチゴは如何しているのよ?」

「ほら、冷凍物があるだろう、それだよ!」

2人はまずパンを2つに分ける。


「本当に餡子よ」

「こっちはイチゴジャムです」

「何で冷凍食品があるの?台所のやつは家庭用であんなイチゴは入ってなかったけど、それに冷蔵庫じゃ溶けるわよね?」


「ほら、お好み焼きやの方の食品を冷やしておいた方だよ、たまにおばちゃん達にクレープ焼いて居ただろう・・・あゝ思い出した、クリーム有るじゃん後でよく裏ラベル見てみようと!」


「はーラシーヌちゃん、私はやっぱり今日が命日見たいよ!」

「お祖母様そんな事言わずに食べましょう、美味しいですよ」

甘いパンでニコニコの王女様。


ふと周りを見るとみんな立っている。

「ねえパンお裾分けしても大丈夫かな?」

「大丈夫よ、ラインコールに渡せばね、アルコールはダメだからね」


それなら紅茶を渡してあげよう。


俺はラインコールさんとメイドさんを奥に招き入れて、パンと紅茶をペットボトルに入れて渡す。


外に持っていく時に、それを見た2人がまた騒ぐ。


「今度は紅茶のペットボトル!」

「何でそんな物あるのよ〜」


「だーから、お茶のペットボトルを詰め替えたの! 乾物屋にあった物は全てあるって、紅茶も袋でもパックでもあっただろう」


全く妹も年取ったので、忘れん坊になったんだね!










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