第71話 また逃げた!

「ふー、パンを渡したし彼に会いに外に行くと街に戻れないから、此処は明日まで我慢ね」

街のルール、1日一回の出と入りを破れば2回目は出入り出来ない。


「さー、明日はレシピを教えてもらって、どうにか商売に結びつけないとね! 明日からまた忙しくなるわよ」

マユユも外壁の外で、何が起こっているかは知らない。


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「あれー店が無くなってないか?」

外を見渡した門番担当の騎士が、周りの騎士に言った。


「そうだなさっきまで有って冒険者ギルマスとサブマスの回収して、確かにあそこに店が合ったよな」

「とりあえず団長に報告してくる」


門番担当の騎士達みんなで冒険者ギルドに2人を運んで門に戻った時、此処何日か合った光景がまた変わっていた。


「何事だ、店が無くなったとは?」

騎士団長は他の騎士に言われて慌てて門に来た。


「確かに無いな、何処に行ったんだ俺は出てくる皆も続け!」

慌てて木の元にやって来た騎士達、しかし何一つ痕跡が無い、あるのは草が倒れた車輪の跡だけ。


「へびの類なら、分かるけど細すぎるな?」

「でも団長、これしか痕跡が有りませんよ」

「なら何人かで追いかけてみよう、誰か馬を持って来い、それと領主邸にも連絡しておけ」


騎士団長と何人かは馬が来るまで、徒歩でマサシを追いかける、戻った兵士は馬を引いてゆく者と、領主邸に報告に行く者に別れる。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「ほらお父様、これの作り方を教えてくれるそうですよ」

3人はリンゴ酵母のパンを食べている。


「確かに美味いな、もっと早くに交渉しとけば良かったよ」

「まあこれで誰も傷つけず、平和に終わったね」

商業ギルマスが安堵の表情で腰を落ち着けたが、その時ドアが開き凶報が飛び込んで来る。


「領主様、下に騎士が来ています至急の報告です」

執事が慌てて、執務室に飛び込んできた。


「なんだ騒々しい、俺はこの美味しいパンを食べる事に夢中だ、報告はお前が聞いておけ!」

「でもしかし「私が聞いてきてあげるよ、何かあるならもお一度此処に来るけどなければ夜に会いましょうね」


そして商業ギルマスが下で、兵士に聞いた報告で青くなったが、それどころでは無くてまた執務室に急いで戻った。


「どうしましたギルマス、お顔が青いですよ?」

「そうだぞ、さっきのパンが喉に詰まったか?水を持ってこらせよう!誰か水を持って来い」

代行が言うとメイドが水を持って持ってくる。

ギルマスは一杯飲むと代行に言う。


「居なくなった、影も形も無いそうだ」

「「?」」

要領を得ないギルマスに2人は再度質問した。


「なんの話だ」

「そうですよいつも言っていますよね報連相の事を」


もお一度水を飲み、ギルマスは話す。

「無くなったよお店が! 外壁の外の店が消えたのよ店主と共にね!」

この瞬間、りんご酵母のパンのレシピはこの街に流れる事は無かった。





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