第69話 お酒をのませる!
酒を諦めた2人は話をして来る。
「それで話は戻すけど、パンは増産出来ないのですか?」
「その話は先程街の中にマユユさんと言う商人に、商業ギルドに行って貰ってます、新たなパンの製造方法のレシピの提案にです、私は街の中に入れませんので」
「あゝマユユさんが商業ギルドに言っているのね、商業ギルドのマスターも税を反対だから良いかもしれないわね」
「そうだな、それで話が纏まれば俺も冒険者達に顔が立つな」
何でギルマスが冒険者達に顔が立つんだ?
「不思議そうな顔だな、もし君が税の事に怒って店を畳んで逃げてしまったら、酒を飲めない冒険者が暴れるだろう、領主と戦いになっても冒険者達は、君の味方になるはずだ!」
「恐らくは騎士団もね、此処のファンは多いわよ」
まあ昼以外は、朝も夜も店は盛況だ。昼はたまに通る人だけだからね。
「そして君を追いかけて、冒険者が他所の街に行ってしまったら、依頼も止まるし魔物や盗賊が出ても騎士団だけでは如何にも出来なくなる!」
「あゝ、何処にも行ってほしくないのは冒険者の総意だよ」
「でもこの頃は結構な人が来ますので、酒の供給が追いつきません、制限は2本ですけどその内に一本になりますよ」
ビックリする2人。
「それは困る、暴動が起こるかも知れないですよギルマス」
「あゝ数量制限があるのか、どうにかならないか店主」
うーん俺は考える、製造方法は知っているけど道具はあるのか分からない、あとは焼酎を薄める方法だけれども
「食堂で出している、エールってどのくらいのアルコール度数何ですか?」
「「度数?」」
度数知らないの、原料で味は変わるから比べられないけど度数を知らないなんてね?
「アルコールの・・・どう説明したらいいんだ、化学の進んでいない世界で」
俺は考える、仕方ないから現物を飲ませて分からせるか!
「少しお待ちください」
俺は店の奥のアルコール倉庫に行き、数々の酒を持ってくる。
ただそんなに品目は無い。
ビールに焼酎、梅酒に白・赤ワイン、ブランデーにウイスキー、極め付けは、罰ゲーム用に買った世界一度数の高いスピリタス。
コレなんてほとんど医療用アルコールだよ!
奥から戻って、酒を置いてコップを取りに中に戻る。
紙コップに炭酸、水と氷とリンゴジュースを出してもお一度外に出る。
戻ると2人は繁々と酒達を見ている。
「とりあえず、お二人はお酒は飲めますか?」
「あゝ」
「えぇ飲めるわよ」
酒瓶を眺めているので、返事は曖昧だけれど飲める様だ。
「お強いですか、試飲なので飲み干さなくても良いですけど、飲むと必ず酔いますよ」
試飲は普通バケツに捨てて水でうがいをするけど、コレも説明が面倒だ。
チャンポンなら酔いも回るのが早いかも知れない。
「ではまずビールから」
栓を抜いて、紙コップに半分を注ぐ。
「おい、もう少し注いでくれるか!」
「えぇその位では酔えないわよ、上までお願い」
「ビールは最後に、もお一度飲ませますよ」
最後まで立っていられたらね。
次に、赤ワイン、白ワイン、日本酒そして冷酒ドンドン行くぞ!
焼酎、焼酎の水割り、炭酸割り、リンゴジュース割り、
「あれ待ってくれる」
待ちませんよ、ドンドン飲んで下さいね!
ウイスキー、ウイスキー水割りワンフィンガー、ウイスキー水割りツーフィンガー、ウイスキー水割りスリーフィンガー、ウイスキー炭酸割り(ハイボールね)
「待て待て、何で一口で酔ってくるんだ」
忠告はしたからね!日頃飲んでるエールは相当度数低いよ!
ブランデー、ブランデー水割り、そして極め付けのスピリタス!
口に火を近づけると、内臓が火傷するんだったか。
目の前に、酔い潰れた屍が2つ!
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