第67話 秘密のお話!
ドアを開けた女性が、ギロリと中を見渡す。
「ギルド内の職員が居ないから何処に行ったと思ったら、ガン首揃えて此処に居たかい、それでマユユさんは何で皆んなを集めているんだい、何時もの事なら受付だけで良いだろう、さあ解散して仕事に戻りなさいよ」
ギルマスの言葉にみんな立ち上がるが、マユユに阻止される。
「まあまあマスターもみんなも話が終わって無いのだから、座って座ってね、マスターにはコレを食べて感想を頂戴、みんなからはもう感想をもらっているからマスターも食べて」
マユユはパンをマスターの前出す。
「匂いは合格、随分とすごい物を見つけて来たんだねマユユさん、それじゃあ頂くよ」
マスターは一口食べると、残りも一気に食べてしまう。
「マユユさん、すごいパンを見つけて来たじゃ無いか、これなら門の外の店にも負けないね、職人は来るのかい、この国の人間かい?」
微笑むマユユさん、周りのみんなもマスターの言葉に思わず笑いを堪える。
「美味しいでしょうマスター、だって出所はマスターの言った所ですからね!」
自分の手のパンの温もりとマユユの顔を交互に見るマスター。
「まさか、あのパンの独占契約を結んだんかい、どうやって契約を!まさか身体を差し出したんかい、何て女なんだいアンタは!」
怒りのマスター、しかしマユユさんは冷静に答える。
「そんな事はしませんよ、今まで一度もね、でもあの店主さんならそれもありですかね」
「やっぱりアンタ「まあまあ聞いてくださいね商業ギルドマスターさん、外の店の店主さんがこの新作のパンの作り方のレシピを銅貨一枚で教えてくれるそうですよ、どうしますか?」
マスターは考えて、マユユに答える。
「一個売るたんびに銀貨一枚と銅貨1枚と言う事だね!」
「違いますよ銅貨一枚のパンを2枚で売って貰うとの事です」
「それで彼の儲けは良いのかい?」
「ええ優秀なパン職人や料理人をこの街から無くならない様にしたいと、彼の元の職業は乾物屋と言って、料理の食材を売る店何ですって、そのお客さんの料理人や職人さんを辞めさすと結局は、自分の店が潰れるそうです」
「乾物屋てなんだい?」
「私も何度か店を見させて頂きましたけど、料理に使う材料でしたよ、私は料理人で無いので説明を受けても余り分かりませんでしたね」
本当に色々と有って説明されても理解出来なかった、ただビールが美味しかっただけだ。
「分かった、その話を領主様に伝えて来る、マユユさんはまた旅立つのかい?」
「店の方には2、3日居ますよ、それと残りのパンもお持ちください、領主様も納得する味ですからね」
「分かったよ夜の会議で出して、説得してくる」
「何かあったんですか?」
「あの馬鹿領主さんがね、外の店主に税を掛けるって言っているんだよ、
そんな事をすれば相手は逃げるのに、取引条件でパンのレシピを貰おうって画策したんだよ、夜にもう一度お話さ」
笑うギルドマスター、思案顔のマユユ。
「私に言えば彼に伝えますよ!」
「それでも良いさね、商人や料理人を脅して情報を得るなど、そんな事をすれば相手は逃げるし、街の中に彼のシンパがいれば報復をされるのは馬鹿領主様だからね、おっとお嬢様に言う話では無かったね」
突然新人ちゃんは立ち上がる。
「マユユさん、外の店主さんには黙っていてください、私がお父様を説得してきます、マスター行きますよ、マユユさんパンを貰います」
新人ちゃんはパンを持って、屋敷に向かう。
「全く人使いの荒い親子だよ」
それを追いかけて出て行く商業ギルドマスター!
「あゝパンを持っていっちゃった、食べられなかった子は残念ね」
先に退室した5人は、最後まで新作を食べれなかったとさ!
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