第65話 マユユさんと相談!

リンゴが手に入って10日目、ついにリンゴ酵母が出来た!


それを使ったパンを焼き始めてから、パンのストックを倉庫に積み出した、スタンプカードのオマケはこれにしよう。


久しぶりにマユユさんがお店に寄ってくれた、どうやらあのパン料理人は皿洗いをしているが、パンは焼いているそうだ。


そして俺はマユユさんに、リンゴ酵母を使ったパンを試食してもらう。


「あゝ柔らかいし、リンゴの香りがするね、これだけでも良いかも」

どうやらパン単体でも美味しい様だ! マユユさんは話をして来る。


「これでこれからは、このパンを売るのかな?」

「本当はレシピを商業ギルドに登録したいんですけど、俺は身分証も有りませんし、どうすればいいのかわからないんですよ」


「そうだわね、身分証が無ければ登録出来ないもんね、私が中で相談してきてあげる、はい」

手を差し出して来たので、仕方無しに金貨を1枚渡す、相談料だ。


その金貨を見て驚くマユユさん!

「馬鹿何を渡しているの、そんな大金貰っても困るの、パンよパン!それを持って商業ギルドに行って相談してくるわよ」


俺は、大きい袋にパンを100個ほど詰めて渡す。

「またあんたは常識って無いの? せいぜい10個も有ればいいのよ、ただ美味しいから貰っていくね」


マユユさんは大量のパンを持って、街の中に入っていく。


さーて残りのパンも焼いてしまおう、俺は店の中に戻る。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「ギルマスいる!」

「あらマユユさん、いらっしゃいませ、本日ギルドマスターは街の会議に出て居ます、事付けなら伺いますけど」

清楚な受付嬢さんが答えてくれた。


「居ないのか、それならば今暇な人は何人いる?」

周りを見渡す受付嬢。

「受付は5人とも暇です、裏の事務方もマスターがいませんのでのんびりしてますけど?」

受付嬢さんの答えにマユユさんは。


「なら此処に1人残して、奥の会議室に全員集合して!」

マユユは奥に向かう、そして受付嬢は最近入った子を残して、全員で会議室に入って行った。


マユユさんは声高々に宣言した。

「ではこれより新作の発表です!」

受付嬢達は騒ぎ出す!


商人が他国より持ち帰り、この商業ギルドで登録する時に行われる儀式!

「何処の国のどんな物なんです」

「食べ物ですか?」

「甘いですか?」

声早に質問して来る受付嬢達!


「まあ聞きなさい、食べ物です」

その言葉に全員が喜んだ、此処の商業ギルドは女性しかいないからだ。


そして再度質問を繰り返す。

「それは何処の国の食べ物です」

「アンタ同じ質問よ、でも何処です?」

「此処の国よ!」

みんなテンションが落ちて少し残念そうだ!


そして何人かは話の途中で席を立ち退室し始める。

「ここの国か、なら期待は半減ね!」

「私仕事に戻るわよ、マユユさんまたね」

「マスターの戻る前に、帰ろうよ」

半数の者が席を立ち、それに釣られて残りの人も立ちあがろうとする。


そこでマユユが衝撃の言葉を放つ。

「良いわよ、確かにこの国の物なら仕方ないわね」

5人がドアを開けて退室して行く。


「門の外もわが国よね」

席を立つ者、ドアまで行った者もまたマユユをみる。


「外のお店もわが国よね!」

ドアに行った者も席に座り直す、ただ部屋を退室した者は戻らない。


その代わりに1人残っていた新人さんが入ってくる。

「遅れました代わりましたので、あれ机の上に何も有りませんね?」

「いらっしゃい、これからよ試食はね、彼女達は戻らないのね、では出します」


マユユさんは、自分のアイテムBOXから袋を出し中からパンを取り出す。


「さあ食べなさい、正真正銘のあの門の外の店の新作よ!私はこのパンの事を相談を受けて、一任されてギルドに来たのよ! 

まずは食べてみてね、その後は残りの話をするわね」


商業ギルドの職員は割と高位の家の出であり、裕福だ!


ただそんなに年中マサシのパンを食べられる訳ではない。


その店の新作のパンだと言われたら、全員が無言で食べ始める。










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