第61話 街に着く!
かなり大きな城壁が有る街に着いた。
「此処まで来たなら見つかる事は無いはずだ、俺の異世界生活をまた始めよう」
俺は心に誓い、城門の列に並んでいる。
「はい次、身分証見せて」
「有りません、盗賊に取られました」
此処はラノベ的に盗賊のせいにして、お金を払って中に入れてもらおう。
「無いやつは街には入れない、何処かの村で働いて身分証を貰ってくるんだな、はい次」
この世界は村で登録してから街に来るのか? 少しややこしい。
仕方が無いので一度列から離れて道ゆく人を見ていると、列の中から俺に近づいてくる人がいる。
「オイオイ兄ちゃん、身分証を盗られたのか、それなら街には入れないぞ」
「ええ今さっき門番さんからききました、困っている所です」
見た目は剣を持っているので冒険者さんかな。
「ならいい事を教えてやる、商人達の従業員になるか冒険者の荷物持ちになるかだ!
その方法なら街に入れるぞ、ただ謝礼はかなり必要だがね、それと入っても商業ギルドか冒険者ギルドの身分証の発行にお金が必要だな」
「謝礼はどのくらいですか?」
「俺の所なら銀貨5枚で手を打ってやるよ、俺達の後ろの商人なら同じ位だな、ただ俺達の冒険者ギルドの登録料は銀貨1枚掛かる、商人ギルドは金貨1枚からだな」
登録料だけでもかなりの差だ、でも俺は商人だしう〜ん。
「まぁ俺達が中に入るまでに決めてくれよ、中に入ると今日は出られなくなるからな」
「?入ると出られなくなるんですか」
「あゝ、盗賊達の連絡防止で出入りは1日一回だ、2度出入りは出来ない」
「盗賊が周りにいるんですね?」
「たまにだたまにハハハ、だから2度目に戻るやつは、この辺にテントを張って一晩過ごすんだよ! まぁ最初の犠牲にはなるけど、中から騎士団が退治してくれるから上手くすれば生き残れるぞ」
まだお昼なので、流石にテントは張れ無いな?
「この辺にテントを出しても、領主さんに怒られないのですかね?」
「まぁ領主様の影響下に有る所だけれど、テントを出そうが商売をやってもお咎めは無い、その代わりに守ってもくれないからな!」
此処は領主の影響下だけれども自由な場所らしい、確かに列の反対側で物売りをしている人達がいる。
「さてと、俺達の番が来る様だ、どうする?」
俺は考える、話から悪い人では無い様だが。
「此処で一晩考えますよ、また会ったらよろしくお願いします」
「そうか、護衛料の他に小遣いを稼ぎ損ねたみたいだ、またな」
冒険者のお兄さんは列に慌てて戻って行く。
後ろの商人と話してこちらを見ていたので、会釈しておいた。
よし今日は此処で野宿だ。
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