第60話 そろそろ!

俺は走った、特典の電動自転車スポーツタイプをもらう為に!


距離は1000kmを走り切らないと、スピードメーターも距離メーターも無いママチャリ、何時になればクリア出来るんだ、そして今夜も日が暮れる。


道の端から少し入った所に店を出す、何時もの乾物屋の店舗&倉庫2棟!

そして中に入り鍵を閉めて、勝手にバリアー発動、朝まで安全安心だね。


夕飯を食べて、店の中の商品を倉庫に移動、汗をかいたので風呂に入って就寝、また明日だ!


翌日も朝から店をBOXに仕舞って、ママチャリで出動、村や街にも寄らずにひたすら道を走っていくと、川の橋の所に国境の門が見える。


「よし此処を通れば、隣国に行けるのだろう」

少し遠目で見ているとみんな懐から何かを出している、恐らくは身分証明書だろうな!


「俺は身分証を持ってないよね?」

何処にも無い、貰った事もないはずだ!


「よし道を外れて何処か抜けられる別の場所を見つけよう」

俺は少し道から離れて、川沿いを走る。


「何処かに、川幅の狭い所か舟はないだろうか?」

ひたすら川を下って行くと丸太が倒れている所が有る、連なる様に5本ほどの大木が対岸に向かっている。


「人の通った後が有るね、密入国をする場所かな」

俺は恐る恐る丸太の上を歩いて行く、向こう岸についた時にふと思った。


「この先も川があるなら、コレを持って行った方が良いよね」

密入国する人達には悪いけど、俺はBOXに丸太を仕舞ってまたママチャリで移動する。


川を渡って隣国に入ったよ、よしこのまま移動して電動マウンテンスポーツタイプの自転車を貰おう!(勝手にランクアップ)


そしてまた村や街を通り過ぎて行く、かなりの距離を移動したはずだ。


夜になり店の中で唱えても、電動自転車は出てこない。

「俺の足はパンパンだぞ!」

翌日もひた走る、そして川が見えて来て、2回目の国境監視所が見える。


此処も下流に向かって走って行くと、また大木が連なって倒れている現場に着いた。

今度は7本結構な川幅だ!


そこも渡って大木も貰って対岸に!


そろそろ逃亡にも疲れきって来た。


「よし次の街でも見つけたら、中に入ってみようかな」

俺はそんな事を思いながら、ママチャリを踏み込み走り出す。


風が暑く、日差しもきつい、南の方に来たのかなこれなら飲料水が売れるかもしれない。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


俺が居なくなったあの場所は、結局は建物を放棄、ダンジョンに備えた防護壁だけが有る場所となった。


メリーナは。

「マサシ様は何処にいるんですか! もう一度お会いしたいです」

毎晩星を見て、願いを込めている。


第4王女様は。

「あの幻のパンを食べさせて!」

そんな我儘を、周りの侍女達に言ってこまらせている。

王妃様は、メイド達に謝り、王女様を慰めている。


元王都騎士団隊長は。

「おいお前今日の分前だ!鉄貨3枚なプププ」

「鉄貨3枚!」

「なんか文句あるの? 腹減ったら残飯でも漁っておけよワハハハ」

盗賊の親分に日当を貰った、元王都騎士団団長は残飯に誓う!


「あの小僧のせいで、俺は此処まで落ちぶれたー! 会ったら八つ裂きにしてやる」

今は盗賊の下っ端、王都騎士団をクビになり隣国に逃げて盗賊に成り果てた。

※鉄貨1枚は10円です※


精霊のメロウは。

「何処に行ったの主人、置いてくなんて酷い!」

マサシがお店ごとメロウも持って来たと思ったら、ダンジョンに行っていて置いてきぼりにされていた。

今は風に吹かれながら旅をしている。









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