第59話 悪の王都騎士団長!

王妃は、騎士団長を睨みつける!

コイツの罪は、私の娘を泣かせた事、王女をね!


しかし検証の為の物的証拠は、昨夜の内にいなくなってしまった!

そして肝心の証拠の報告書は王都に行っている。


もう少し後なら最初に隣にあったと言うお店に行ったのに、やはり此処に来るのを慌て過ぎた。 


王妃様が思っていると、新たな精霊が王妃様の周りを回っている。

「フフフ困り事ね王妃チャン」


この精霊は王妃のお友達の精霊だ! そして王妃様は精霊に聞く。

「そうね、いない者をいると言えるの貴女は?」

「言えるわよ、北に行った事は痕跡があるから分かるけど、その先は分からないわね?だって逃げ足が早くて坂の下で痕跡は消えていたのよ、どんなスピードで逃げたのかしら?」

飛んでる精霊は不思議顔で王妃様に受け答えをする。


「馬より速いの?」

「もっと早かったかもよ、坂の途中から痕跡が無くなるんだもんね」

日本のママチャリ恐るべし、それともマサシの脚力か?


「馬より早いんだ、体力強化の魔法かしら?」

「違う物よ、だって魔法なら魔法の痕跡が何処かにあるはずだからね!」

マサシの乗り物はママチャリ、だけど下り坂ならブレーキを掛けなければ、すごいスピードが出る!


時速100Kmは超えるだろーか? 夜で周りが見えず恐怖心が消えていて、マサシは下り坂を死に物狂いで駆け抜けたはずだから。


「オッホン、今私の精霊に聞きました、精霊は此処に居たようです! 証拠は揃いました! では判決を言い渡します。

騎士団長は私の娘を泣かせた罪で、此処から立ち去った者を見つけなさい、そしてもし精霊が居たのなら更に罪を重くしましょう」

突然の判決に王都騎士団長は声を荒げる。


「待ってください王妃様、私はダンジョンを見に来たのです、それが終わり次第でよろしいですか?」


慌ててメリーナは騎士団長に質問する。王都には早馬で連絡した。

「待って、何故貴方はダンジョンのある事を知っているのです、報告書を見たのですか?」


王妃様が報告書を知って慌てて来たなら第2王女様も来たはずだ、第4王女様だけのはずは無い!


ダンジョンと言ってしまった騎士団長は墓穴を掘る!

第一に王都騎士団は王の警護で王妃様の警護はしない、そして何故か強引に此処に来ている。


恐らくは最初にダンジョンに潜ってお宝を独り占め、いや騎士団占めしようとしたはずだ!


「墓穴を掘ったわね騎士団長、メリーナさんの出した王都行きの報告書を先に掠め取ったわね! 此処に本物の報告書を持って来なさい!」

王妃様のお怒りに慌てて騎士団長は2階に行き、荷物の中から報告書を持ってきて王妃様に見せる。


「へー、さっきまで言ってたことは、此処に書いてあるわね!

新たなダンジョンを探した精霊に、魔力水の出る宿と魔法の粉て何かしらね!

そして此処に報告書が何故あるか、それは貴方がダンジョンほ第一発見者になる為ね、騎士団長!そしてその発見者の精霊を追い出したのね」

精霊が絡むと王妃様は怒り心頭!


「違います、私の追い出したのは小汚い店の者だけですよ王妃様!」

騎士団長の言葉は、マサシがいなくなった事により検証が出来ない事態となっている。

「何処に逃げたのよマサシ様!」


メリーナの叫びは山の頂にこだまする。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る