第58話 検証!
まずはみんな一度食堂に戻り、王妃様を中心に周りに座る。
メリーナはスージーに介抱されている、第4王女は王妃様に抱えられている。
「騎士団長貴方、あそこに店が有ったのはご存知ね!」
王妃は少し機嫌が悪そうだけれど、それは第4王女が泣いているからだと騎士団長は思い、素直に返答する。
「ハイハイ確かに小汚い店が有りましたよ、私はこの宿の横に有るのは相応しくないと、昨日あの店をやっている男に、出て行けと言いましたら、本日朝には店ごと出ていった様です!
これで隣には王家をお守りする、王都騎士団の詰め所を立てる事が出来ますハハハ!」
騎士団長は店ごと無くなった凄い事に、何故か気がつかない。
その時メリーナが起き上がる。
「お前がマサシ様を追い出したのか、この償いはさせてもらうわよ!」
フラフラになりながらも騎士団長を指指すメリーナ!
「伯爵家の小娘、お前なんていくら威張ろうとも怖くない、何なら父親の伯爵を呼んでこい、俺が間違っているか言ってやる!」
メリーナの抗議に王都騎士団長は喧嘩腰、男のプライドで生きている人間だ、女に容赦しない。
「お母様、パン屋さんを追い出したのは騎士団長さんなの? 昨日お母様にもらった金貨で、明日も食べさせてって言ったのに、お母様と食べたかったのにワ〜ン」
また第4王女様は泣いてしまう、そして王妃様は騎士団長を睨んでいる。
「よく分かりました、誰が悪いのかはね、ただこれだけでは罪に問えませんね、確かに見窄らしいお店を撤退させただけでわね、ただ私の娘を泣かせた罪は償って貰わないと」
騎士団長を睨みつける王妃!
「王妃様、罪はパンを食べれなかった事ですね、ならば此処の朝食に宿で出してもらいましょう、昨日夕飯を食べた時には大変おいしかったですから!」
王妃様の言葉に若干腰が引けたが、昨晩の食事を思い出して切り抜けようとする騎士団長。
「ならば罪を足してあげるわよ」
メリーナは騎士団長に言うと、騎士団長はスマした顔。
「小娘が何を言うんだ、罪など無い」
騎士団長はメリーナに断言する!
「ならば言うけど、報告書に書いて早馬で王都と領地に連絡したけど、此処には精霊様がいたのよ、隣の建物にね! 王妃様は来るのが早くて報告書は読んでませんよね」
メリーナは王妃様をみて質問する。
「えぇ知らないわね、知っていたら第2王女も呼んで来たはずだから!」
「王妃様のお友達の精霊様を追い出したのは罪よね!騎士団長さん」
ドヤ顔のメリーナ、反対に騎士団長はその項目の報告書は読んでいない。
少し困ったが、見ていないので此処は。
「見せてもらえるか小娘、大体精霊様を見えるのはエルフ族とその血筋の物だけだ!お前では見えん、そうですよね王妃様」
逆に王妃に質問をして、矛盾点を探して逃げ切ろうとする騎士団長。
「そうね私は見えるけど、メリーナさんは見えたの?」
確かに王妃自身は見えても、一般人のメリーナには見えるはずが無い。
「それは姿を一度見せてもらい、報告書を書きました。我が騎士団では精霊様の分からない事も聞いて報告してあります」
王妃は困った、少し早く来過ぎた様だ!
もう何日か待ってからくれば、第2王女の能力で、精霊がいたのを証明出来たはずなのに、この男に偉そうにされる事はないのに!
新しい避暑地が出来たと嬉しくて、第4王女だけと来たのは失敗だと王妃様は思ったのだった。
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