第50話 美味しい甘味は誰の物!

2日もかかってしまった、美味しくて柔らかいパン作り。


まずは膨らむ時間が分かりませんでした。それと頭の隅にある少しの記憶を頼りに何度も試行錯誤して2次発酵も思い出して完成しました!

パチパチしてくれるのはメロウだけですけどね。


そしてジャム作りも、パンの発酵を見ていたら焦がして最初は失敗、発酵を無視して作ってどうにか2回目で成功したけど、只々甘くコレでジャムパン作るとどうなるのかな?


カスタードクリームにも挑戦、出来たのはプリンだった。キャラメルはどう作るんだ? 砂糖を焦がして? そしてさらに3日もかけて、カスタードクリームとキャメルが完成。


お好み焼き屋に頻繁に来る、暇潰しのおばちゃん達の話を思い出して良かった。


ついでにパンケーキも作る途中でドーナツ完成!メロウが食べて喜んでいた。


なんだかんだと1週間、甘いものを沢山作って喜んでいたけど、コレはメリーナに泳がされていただけだった。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「また何かを始めているの?」

「はい夜中に大型の物を移動してました」


「何かを作っているのかしらねマサシ様は?」

「昼間は甘い匂いがしてきます、こちらは風上お嬢様は気づかないと思われます」


「そうね、美味しい匂いならお店の方に行きたいけど、匂いがこちらに来なければ、お店に飛び込めませんもんね!」

「お嬢様、そこはお淑やかに言わないとダメですよ」


「だってこんな新発見を私に預けて、自分は甘い匂いの美味しい物を作って食べているんでしょう、コレは絶対に不公平よ! スージーは今度昼間に何処かで匂いを嗅いだら踏み込みなさい、そして現物を確保して私に持って来なさいね」


「それよりもお嬢様、もう少しやらせましょうよ、まだまだ美味しい物を作るはずですからね」

「まだ作る可能性が有るの? マサシ様の頭の中は?」


「恐らくですけど、黙って作らせましょう、それの方がより良い物を作るでしょうから」


「ならばもう少し泳がせてみるわね!」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


それが週の初め、そして10日も放って置かれて、気がすむまで新作を作っていた。料理長もセトさんも来ないことで警戒MAXのはずが、油断して気持ちよく新作を作っていた。


知らぬ間に、新作を倉庫に入れていたが、倉庫から消えてメリーナの元に行っていたんだと、気づいても後の祭りだ!


なぜ消えたか、メイドさんが倉庫に忍び込み、色々な物をスケッチして食べていたからだ!残りはメリーナに渡したらしい!


それを知ったメリーナがもっと食べたくて、突撃隣の晩ごはんみたいに、お店に突撃して来て全てが分かったからだ!


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