第37話 接待終了!

翌日、朝から店の奥は戦場と化す。


俺が日の出前からコメを研ぎ、大鍋で水分量がわからなくても、ともかくコメを炊かないといけない事を! そして夏で室温が料理で暑くなってオニギリを握る事の大変さを今思っています。


メイドさん達が熱い熱いと泣きながらオニギリを握っています。

悪魔の様にセトさんが大鍋をかき回しています。

慣れない手つきで、メリーナさんとグリーベリーがピクルスを刻んでいます。


俺の隣で寝ている奴らを起こして、強制的に手伝いをさせているんですよ!


「もう2時間は寝ていられるのに」

メリーナさん、それは言わないお約束です。


「私、朝から寝る番なのに!」

グリーさん、此処は異世界就業規則は無いんです、周りは全部ブラック企業ですからね。


そして日の出と共に各家のメイドさん達に、テーブルへと持って行って貰います、

スープは宿で温めてその場でお出しします。


やはり何人かの女性が、オニギリが冷えたので食べづらそうです、そこでお茶漬けの登場です、お椀におにぎりを入れてお茶漬けの元をかけて湯を注ぐ、かき混ぜてスプーンでお召し上がり下さい。


夏でも朝は少し肌寒いので、皆さん喜んで茶漬けに変更して来ました。

具材で鮭茶漬けやたらこ茶漬けに、勝手になってこちらも楽です。

明日の朝はこれにしましょう、手が楽になりますよメイドさん達!


そして失敗しました、料理に夢中で、瓶詰め缶詰ギフト品を隠すのを忘れました。

突然夫人が他の夫人を買い物に誘って急に来たのです。


まあ限定品として数はこれだけと言っておきます、倉庫には入れませんからね。


お昼はお好み焼きを、いくつかのトッピングで作っていく、ソースの香りが鼻を付いてくる。


3時のお茶会、今度はホットケーキを焼く、卵はあまり無いけれど、旦那様方と夫人達だからどうにかなると!


形を見たお昼にお好み焼きを食べた人は、またかとうんざりしてたが、食べれば甘いと分かってお代わりをされていく。


夜は残った麺料理スパゲティだ、

ミートソースとたらこスパを2種類出して腹を膨らませる、

そして冷えたビールを1人一本出す事にする(旦那様と夫人分ね、使用人は無しで)


おつまみはスルメとピクルスを提供。

飲めない人はパートナーに渡している! のんべいは喜んでいるよ、飲めない人にはリンゴジュースかオレンジジュースを提供しておいた。


伯爵様からビールの追加の催促が来たけれど、焼酎の水割りで凌ぐ(凄く薄くしたよ)

そしたら他の飲み物を夫人に催促されて(メリーナからウイスキーとブランデーの情報流失)、仕方ないから、リンゴサワーとオレンジサワーを作ったら喜ばれた。

耳打ちで、まだ種類があるんでしょうと言われたけど、笑顔を返しておく。


翌朝は朝食は茶漬けと言っておいたので混乱は無し、鮭茶漬けかタラコ茶漬けを選択させました。旦那方は大体両方食べていた。


また夫人に言われた、幻の茶漬けがあるんでしょうと、俺は思い出す。

それは冷飯に日本酒をかける、お酒茶漬けですよね!本日販売してません。

「ケチ」

どんだけ夫人は酒好きなんだよ!


そしてみんな、昼前には帰っていく。

あの料理人達は、皆んなが帰った後に食堂に集められた。


料理長は謝って来て、更に俺に弟子入り、セトさんの弟弟子となった。

あの3人以外は此処に残りやはり俺の弟子となり食堂で働く事となる。

あの3人は、どうなったのかは知らない。

これで一連の騒動が終わった。

そして宿には王家の紋章とハムスタッド侯爵の紋章とウドゥン伯爵の紋章がかかっている、俺の店の壁にも何故か同じ紋章が飾られている。


これで安心安全を贈られた! めでたしめでたし。










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る