第35話 始まった夕食会

招待客が、一階の食堂に集合した。


テーブルの上には料理長が作った、ウッ・ドーンが各テーブルに置いてある。


「えぇと皆様、本日はここまでの長旅大変でしたが、無事に着いた事を私は喜ばしいと、そして我が領の・・・ええ〜なんだったかな」

伯爵様もテーブルの上にある料理が、ウッ・ドーンだと思ったのか顔が引きつている。


(メリーナ、何よあれ!ウドンはどうなったの)

(はいお母様、あの料理長のジジイが勘違いしてボケてる料理を、ウドンにしようとしてます)

(まだ料理長はボケてないわよ、メリーナちゃん)

(充分ボケボケ老人です、マサシ様に調理場を使わせないなんてね!)

(何その話、詳しく言いなさい)

(また後で、私は真実のウドンを皆様に紹介しませんとね)

メリーナは、俺達の方を見て寄ってくる。


「皆様、此処は屋敷では無いので、料理が大皿に盛られて御免なさい、ですけどこれからお出しするのは、我が領の特産品で秘伝の我が領の名を持ったウドンです。

そして夏に暑く食欲を落とし始めた皆様に朗報です、このウドンは冷やしても美味しく食べられます、冬は暖かな物をまた皆様にお食べいただきたいと思います。

それと、ウドンの味を変えるトッピングと言う食材も用意してますのでお試しください、それでは各テーブルに我が家のメイド達が回りますので、お好きなトッピングをお試しください。

それとスープだけを温める方法も、有りますのでお試しを」


メイド達はザルに盛ったウドンを持って行く、スープの温度を聞いてくる、

体が冷えすぎてもいけないので、注文を聞いてから持って行ってもらう。


少しして伯爵様が俺達の前に来た。

「何か連絡ミスで君達に迷惑をかけたみたいだね、迷惑料は後で届けさす。

本当は頭を下げるべきだが、此処では堪えてもらう、また後で話をしよう」


伯爵様と交代で夫人が来る。


「凄いわね、熱くても冷たくても食べられる物なんて初めて知ったわよ、それにあのトッピング達、ご飯にも合うんでしょうね、今日はおにぎりは作ってくれないの?」

「明日の朝食にご準備してますよ」

「了解、それと昼と3時のお茶に明日の夕飯と明後日の朝食もお願いね!」


「全部ですか? 領地から連れてきた料理人さん達は、どうするんですか?」

「あの人達ね、食材全部をあの皿に盛ったのよ、だから塩と砂糖と油しか無いの!

また領地から持ってこなくては行けないから開店休業ね、何であんなバカな事をしたのかしら? 確かにメリーナがボケジジイと言っていたから本当かもね! じゃあまた挨拶回りに言ってくるわよ」


イヤイヤビックリだね、全部の食材を使い切るなんてね、俺には出来ないね!

そしてお代わりを求めてかなり忙しく俺達は給仕をしていた。


ウドンは無くなったが、ウッ・ドーンは大量に残り騎士団とメイドは少し喜んだと、でも本音はウドンを食べたかったんだってさ!


















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